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2025年12月 6日 (土)

宋朝に孝経・越王孝経新義献上 968

宋史は更に、奝然の情報、及び、動向を記述しています。

「其国多有中国典籍 奝然之来 復得孝経一巻
 越王孝経新義第十五一巻 皆金縷紅羅標 水晶為軸
 孝経即鄭氏注者 越王者 乃唐太宗子越王貞
 新義者 記室参軍任希古等撰也
慶應大学メディアセンター デジタルコレクション 明監本宋史 P46 13行目~)

日本には中国典籍(これって一体何なのでしょう?)が数多ある。
奝然は「孝経」・「越王孝経新義第十五」各一巻を贈呈したと。
これらの装丁が「皆金縷紅羅標 水晶為軸」と記されていますので
冊子本ではなく巻子本(巻物)になります。
そして、巻子装がとても豪華絢爛なのです。
金糸の紐、金糸の縁取り、紅羅(紅色の絹生地羅)の「標(=表紙)」、
それから何と、「軸」が水晶なんです。さすが日本製は素敵!
「孝経」は日本で奝然以前の時代に採用され、
知識人に広く読まれていた儒教の経書、
「七経(孝経・礼記・詩経・書経・論語・易経・春秋)」の一つです。
「越王孝経新義」(えつおうこうきょうしんぎ)は「孝経」の注釈本、
「唐太宗(李世民598~649)」の息子・「越王〈李〉貞(627~688)」が
「記室参軍(書記官僚)」の「任希古」らに命じて編纂した書物です。
このような豪華巻物を奝然は一体どこから調達したのでしょう?
とても高価な品々と思われます。
又、彼が太宗に献上したものはこれ以外、以前紹介した
「銅器十余事」等もあるのです。
奝然の渡宋の第一の目的は「仏教典籍・仏像」の確保です。
当然、東大寺等から援助されていた思われますが、宋朝に
「王年代紀」・「職員令」もプレゼントしていますので「朝廷」も関与して
いたと考えるのが自然です。この時点での「朝廷」の実質権力者は
右大臣で円融帝にお嬢さんを入内させ、懐仁親王を儲けさせた
「藤原兼家」(929~990)です。彼が最大の支援・後援者と考えます。
彼の仏教界への介在理由は不明ですがメリットがあった筈です。 続く。

Tubaki6

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