宋史にて遣唐使一つ追加される 958

先週お話ししたように「遼史」･「金史」･「宋史」は
大元ｳﾙｽ（1271～1368）滅亡の21年前に編纂されています。
大元ｳﾙｽ時代は日本で「蒙古襲来（1274･1283）」でお馴染み？
上記三史書の編纂監督は「脱脱（託克託 ﾄｸﾄ）」（1314～1356）。
脱脱は有力遊牧民族部族末裔で「元」高級官僚為政者でした。
彼は中華王朝文化を否定せず「科挙」を復活させています。（1340）
現場で制作･編纂された責任書は「欧陽玄」（1283～1357）
現在の湖南省出身の元時代の著名な学者で識者です。
それでは、「宋史 列伝 外国 日本国」です。

「日本国者 本倭奴国也 自以其国近日所出 故以日本為名
　或云悪其旧名改之也 其地東西南北数千里 西南至海
　東北隅隔以大山 山外即毛人国 自後漢始朝貢 歴魏晋宋隋
　皆来貢 唐永徽 顕慶 長安 開元 天宝 上元 貞元 元和 開成中
　並遣使入朝」　（今回も、旧漢字は新漢字に置き換えてます。）

日本国の経緯、大まかな地理情報の記述、既存の「史書」から複写。
次に、倭･日本の遣使が各王朝にお土産持参で入朝したと。
遣唐使は入朝時の元号を表記してます。
永徽→永徽初654年（旧唐書 本紀 高宗）　
顕慶→顕慶659年（旧･新唐書記載なし 日本書紀記述有り）　
長安→長安三年703年（旧唐書）
開元→開元初717年（旧唐書）
天宝→天宝十二年753年（旧唐書）
上元→上元761年（新唐書）
貞元→貞元二十年804年（旧唐書）
元和→元和元年806年（旧唐書）
開成→開成四年839年（旧唐書）

この「宋史」に顕慶時代の遣使入朝が追加されてます。
どちらかの資料に記録されていた事を発見したと思われます。
又、疑問だった新唐書の遣唐使の件
「建中元年（780年） 使者真人興能献方物」
こちら「建中」に関しては記載されていませんでした。
とっとも「摩訶不思議」ってな感じ。　続く。