« 玄宗 楊貴妃と比翼連理叶わずX 921 | トップページ | 安禄山(父ソグド人母突厥人) 923 »

2024年11月23日 (土)

楊貴妃太液芙蓉未央柳・更衣?XI 922

式部の「源氏物語 桐壺」でのこれが最後の「長恨歌」からの引用。
「太液芙蓉未央柳 芙蓉如面柳如眉」
国立国会図書館デジタルコレクション 長恨歌P13 7行目~)
*太液(池) (日本国語大辞典 精選版 小学館)
中華王朝の宮殿にあった池名。漢代には長安城外の未央宮内、
唐代には皇城内の大明宮内にあった。 *芙蓉→蓮の花
*未央(美容)柳→中国原産で、観賞用に庭園に栽植される。
*未央の柳→美人の眉や、たおやかな容姿にたとえる。
楊貴妃の顔立ちは芙蓉、眉は未央柳のようである。
この部分「源氏物語 桐壺」では
「絵にかける楊貴妃のかたちは、いみじき絵師といへども、
 筆限りありければ、いとにほひ少なし。
 大液の芙蓉(たいえきのふよう)、未央の柳(びやうのやなぎ)も、
 げに通ひたりしかたちを、唐(から)めいたる粧(よそひ)は
 うるはしうこそありけめ、
 (優れて時めく更衣の)なつかしうらうたげなりしを思し出づるに、
 花鳥(はなとり)の色にも音()にもよそふべき方ぞなき。」と。
国立国会図書館デジタルコレクション 対訳源氏物語P14 34行目)
この語りで藤式部は
楊貴妃を中国王朝風な端正美人と規定、
桐壷更衣を花の匂う色・鳥の鳴き声に比定できない端麗さと。
彼女は何と、平安王朝美人に軍配を上げているのです。
さすが、平安宮廷女房作家と云いたい所ですが
彼女の美の基準は一体?
平安の高貴な殿方はかの御代、女性の容貌・容姿を
燦々と降り注ぐお日様の光の下で確認できない状況の辛さ?
女性も扇で面(おもて)を覆い、和歌で表現する奥ゆかしさ?
いやはや、何とも云えない気持ち。
ましては、楊貴妃は実在、桐壷更衣は架空で不在ですから・・・・・。
桐壺帖以外に「夕顔」「絵合」「幻」で「七月七日長生殿」について
式部は触れています。お時間があればご確認を。 続く。

Kiku5

|

« 玄宗 楊貴妃と比翼連理叶わずX 921 | トップページ | 安禄山(父ソグド人母突厥人) 923 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 玄宗 楊貴妃と比翼連理叶わずX 921 | トップページ | 安禄山(父ソグド人母突厥人) 923 »