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2024年11月30日 (土)

安禄山(父ソグド人母突厥人) 923

玄宗と楊貴妃ついて触れてきましたが
このお二人には(否、唐王朝にとっても)もう一方、大事な方が存在。
「世界三大美女 豊満な楊貴妃I」をご覧下さい。
そのお方は「安禄山(703~757父ソグド人母突厥人)」。
彼は由緒正しい?「胡人」です。
「安禄山 営州柳城雑種胡人也 本無姓氏 名軋犖山
 母阿史徳氏 亦突厥巫師 以卜為業」
(旧唐書 巻二百上 安禄山)
*営州・・・現在の遼寧省一帯 唐時代平盧節度使が設置される
*平盧(ヘイロ)・・・現在の遼寧省朝陽市
*阿史徳氏・・・突厥名門部族の一つ
*ソグド(ソクディアナ Sogdiana)
古代アケメネスペルシア帝国の州。
中央アジアのアムダリア・シムダリア両川の上流の間を
東西に流れるザラフシャン川の流域にあたる。現在大部分は
ウズベキスタン共和国、一部はタジキスタン共和国に属する。
古くからサマルカンド、ブハラなどの都市国家が建設された
西トルキスタンの中心で、古来、東西交易路の要地。
(日本国語大辞典 精選版 小学館)
ソグド人について補足
唐の都長安の「市場(東西)」の商いを牛耳ったのはソグド人。
彼らは元々中央アジアの草原オアシス都市国家に住み、灌漑農業→
商業にも進出、オアシス数珠繋ぎ上の都市国家情報を収集、
商いに精を出し「富」を蓄積、又、都市国家間を駱駝などに乗せ
商品(奢侈品)を運搬する際、それらを盗賊から守る為に武装集団を
備える(軍事力)等々有能な方々。(富と軍事を持てば向かう所敵無し)
そんな彼ら彼女らが世界最大国際都市「長安」市場にて商売繁盛。
シルクロード巨大商業圏(特に西方)から高級な品々を供給。
色んな地方の人々がここに集い、唐王朝繁栄の礎になりました。
その末裔が「安禄山」、おまけに母は突厥(チュルク=トルコ)人ですから
広大なユーラシア大陸中央草原を駆け巡ったちゃきちゃきの遊牧民。
*突厥は「旧唐書 五代後晋時代執筆」で。
安禄山は当然玄宗帝の出自を知っていたにも関わらず、建前上
漢族の皇帝とし、ご自分を「蕃人」(→野蛮人)と謙(へりくだ)ってます。
「天宝三載(744年)略 後請為貴妃養児 入対皆先拝太真(=楊貴妃)
 玄宗怪而問之 対曰 『臣(安禄山)是蕃人 蕃人先母而後父』
 玄宗大悦 遂命楊銛已下並約為兄弟姉妹 」
(旧唐書 巻二百上 安禄山)
唐王朝の始祖・李淵は建前上(史書)「漢族」とされていますが、
実際は「遊牧民族鮮卑族」の末裔です。従って、玄宗も鮮卑族。
昔々の中華王朝では「鮮卑人」=北狄、「胡人」=西戎でした。
故に、鮮卑・胡人ともに「蕃人」範疇に属するのです。
安禄山は「富・軍事力」を備えているのみに止(とど)まらず、
「人たらし」の才もお持ちだった感じ。楊貴妃にどの様に取り入った
かは不明ですか。彼女の心を動かし・捉えた事は事実。
彼は玄宗に楊貴妃の子供になりたいとお願いした所、承諾されてます。
さらに宮殿でのお二人への拝礼を楊貴妃を先にしてます。
訝った玄宗はなんで皇帝の俺に先に挨拶をしないのかと尋ねると
安禄山は「帝の臣下の私(わたくし)は蕃人です。蕃人の礼儀作法は
(母系社会空間から)父よりも先に母に挨拶するのです。」と返事。
これに玄宗はいたく感動、大悦びだったと。
玄宗は古来よりの漢族儒教父系優先文化に懐疑を持っていたのやも。
 続く。

Tubaki6

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