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2024年6月15日 (土)

恵信尼さんの最後のお手紙原文 901

恵信尼さんが王御前(後の覚信尼)さんに送った最後のお手紙に
なってしまったと思われる文面抜粋です。(10通目)

「《裏端書》
 わかさとの
 〈文永5年1268年〉三月十二日 ゐ()の時
 あま()りにくら()く候ていかようにか()き候はし

 たより(便)をよろこ()ひて申候う さてはことし(今年)まて
 あるべしと思わず候つれとも ことし(今年)は
 八十七やらんむなりになり候 とら()のとし()のものにて
 候へは八十七やらん八やらむになり候へは
 いま()は時日をま()ちてこそ候へとも
 とし()こそおそ()ろしく()なりて候へども
 しわふ()く事候はねは つわき()なとは◯事候わす
 こしひさ(腰膝)う()たすると申◯ともたふしまては候わず
 ただいぬ()のよう()にてこそ候えとも
 ことし(今年)になり候へばあまりにものわす(物忘)れをし候て
 ほれ(放心)たるやうにこそ候へ 略
 またきんたち(公達)の事 よにゆか()しくうけ給わはりたく候也
 よ()のきんたち(公達)の御事もよにうけ給りたくおほ()江候
 あはれこのよ()にていま()いちと(一度)み()まいらせ
 又みへまいらする事候べき わか身はこくらく(極楽)へたた(
 いま()にまい()り候はむすれ なに事もくらからす
 み()そなはしまいらすべく候へばかま()へて御念佛申させ給て
 こくらく(極楽)へまい()りあはせ給へし なほなほこくらく(極楽)へ
 まい()りあひまい()らせ候はんすれはなにこと(何事)も
 くら()からすこそ候はんずれ 略
 なにをも申したき事おほ()へ候へとも
 あか月たより(便)の候よし申候へは
 よる()かき候へは くら()く候てよもこらん(御覧)しへ(
 はしじとてとと()め候ぬ 又はり()すこした()ひ候へ
 このひん(便)にでも候へ 御ふみ()の中にいれてた()ふへく候
 なほなほきんたち(公達)の御事 こま()かにおほせたひ候へ
 うけ給はり候てたに なくさ()み候へく候 よろつ()つ()くし
 かたく候てとと()め候ぬ 又さいさう(宰相)殿
 いまたひめきみ(姫君)にておはしまし候やらん」
真宗大谷派 東本願寺 真宗聖典 恵信尼消息 便りを 及び
 国立国会図書館 電子図書館 「恵信尼文書の研究」わかさとの
 続く。

Botan

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