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2024年2月24日 (土)

源倫子なな何と二度出家 887

「この世をばわが世とぞ思う望月の虧(かけ)たることもなしと思えば」
(1018/10/16)を成し遂げた源倫子さん53歳。
彼女はこの4年後の1021/12/2(57歳)に出家されます。
更に、どちらかの時点で還俗されのか?
1039/3/24(76歳)になな何と、再度出家されているのです。

「准三后従一位源朝臣倫子事
 前略 治安元年(1021年)十二月二日出家 
 法名清浄法垂尼歟
 略 長暦三年(1039年)三月廿四日
 於法成寺西北院供養七宝塔即出家
 天喜元年(1053年)六月十一日薨年九十」
国立公文書館デジタルアーカイブ 大鏡裏書 P27 17行~)
*大鏡
平安時代の紀伝体の歴史物語。三巻本、六巻本、八巻本がある。
著者は未詳。堀河・鳥羽天皇の頃(1086~1123)の成立か。
大宅世継、夏山繁樹という二人の老人の昔語りに、若侍が批判を
加えるという形式で、文徳天皇の嘉祥三年(850)から後一条天皇
の万寿二年(1025)まで、14代176年間の歴史を藤原道長の栄華を
中心に描く。「栄花物語」に続く「鏡物」の最初で、
歴史資料としても、文学としても価値が高い。世継。世継物語。
*栄花物語
平安時代の歴史物語。四〇巻。作者は正編は赤染衛門、
続編は出羽の弁とする説などがあるが未詳。
正編三〇巻は長元年間(1028~37)、
続編一〇巻は寛治六年(1092)以後間もない頃の成立とされる。
宇多天皇から堀河天皇の寛治六年まで、
15代約200年の歴史を編年体で記述。
正編は藤原道長の栄華を中心に、
宮廷、貴族に関するできごとをかな書きで物語風に記す。
続編の視点はやや散漫。世継。世継物語。
*鏡物
「鏡」の字が作品名の下につく歴史物語の総称。
「大鏡」「今鏡」「水鏡」「増鏡」など。
(日本国語大辞典 精選版 小学館)

「大鏡裏書」は「大鏡」の注釈書で著者不明。
倫子さんは一体どうなさったのかしら
一度目の出家(1021年)後、法名が「『清浄法垂尼』歟」と。
「歟」ですから記述者はこの名前に確信をお持ちではないです。
彼女は、何故、出家されたのでしょう? 続く。

Ume77

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