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2023年10月 7日 (土)

法隆寺へ駆けつける信如さん 871

「太子伝聖誉抄 天寿國曼荼羅起因」原文写本の続き。
「夢見タル同法尼衆ツレテ
 則日法隆寺アル寺僧達此由申サル
 サル万タラハ未ヨリ見及不侍
 忝勅符ラル二ハアケ不侍
 興福寺二西南院實宗僧都当寺ノ別当御座ス
 別当牒公家奏聞経 勅許
 別当許可宝蔵也。
 略 若求出玉以ソゝ
 必貴寺可奉ト云フ 信如房聞イテ帰玉フ
 又次年文永十一年甲戌春トク綱封倉盗人入ヨリ焼アケテ
 入タル跡アリ 幾ラ物取タル共不知 急奏聞ヘテ
 別当見 宝物勘定スヘシトテ
 開見ルニ サシテ物ハ不取 内ナル櫃共皆鎖カタクサス間
 何工不取ケルカ 沈ホタ六人シテ有ケルヲ
 少カキトレル計也
 此次トテ中宮寺信如房方ヘ使ヤラル。」
赤字は不明 漢字・振り仮名に誤謬あるやもお気をつけて。》
東京国立博物館 デジタルライブラリー 太子伝聖誉抄下P48 11行~)

信如長老さんは早速、
夢を見た「同法ノ尼衆」を連れ法隆寺へ一目散に駆けつけ、
法隆寺のお坊さん達に夢告内容をお話し申し上げました。
お坊さん達はそのような曼荼羅は御覧になった事は無く、
そもそも「勅符」がなければ蔵自体あける事ができないとも。
又、興福寺の別当が「公家」を通じ帝へ奏上し蔵解錠の「勅許」頂き、
「宝蔵」を開くとの情報も得ます。(但し、期日は不明)

大変遺憾ながら、「略」は読み取りができないのです。
特に「一+ヽ」はどの漢字を略したものなのか分からないのです。
お教え頂けますと、とても喜ばしい限りです。
皆さん、お時間があれば内容込みで「想像」して下さいませ。

「略」部分に繋がる次の展開は信如さん所望の曼荼羅が出現した際は
必ずやお渡し下さるとの仰せに信如さんは悦び、
中宮寺へお帰りのなったのです。 続く。

因みに10/4(水)に奈良正倉院にて「開封の儀」が行われたと。
勅使が来られ、麻縄を鋏で切って封を解く、今のお話と重なります。
「正倉院で「開封の儀」 年に1度、宝物を点検」(日経Web)

Kiku5

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