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2023年9月 9日 (土)

少輔得業璋円の娘 出家し信如房 867

今日は奇しくも「重陽の節句」も「太子伝聖誉抄」の記述を追います。
先ず、信如さんについて
「笠置ノ解脱上人御弟子四人上足アリ
 光明院覚遍 円玄 良算 璋円 略
 璋円西座党ナリ 璋円落堕少輔得業申ケリ 略
 薬師寺アリケル女性ケリ御ムスメアマタ御
東京国立博物館 デジタルライブラリー 太子伝聖誉抄下P40 12行~)

*笠置寺解脱上人・・・貞慶(1155~1213)祖父が信西〈1106~59〉)
興福寺で出家。戒律に厳しく、維摩会・最勝会の講師となったが、
38歳(一説に28歳)の時、山城笠置山に隠棲。
*笠置寺
京都府相楽郡笠置町にある真言宗智山派の寺。笠置山頂にある。
山号は鹿鷺山。天武天皇の創建と伝えられ、役小角、良弁などが
修行。南北朝時代には後醍醐天皇の行宮が置かれた。
本尊は摩崖の彌勒菩薩。
*上足・・・優秀な弟子。上席の門弟。高弟。
*落堕
仏語。僧侶が戒を破り放逸にふける事。戒を捨てて還俗する事。
*少輔・・・次官 
*得業・・・決められた仏道修行を修め終える事。
奈良三会(興福寺の維摩会・法華会、薬師寺の最勝会)に参列して
論場で探題の出した問題について理論を述べて答えることをなし遂げた者の称号。
(日本国語大辞典 精選版 小学館)

「少輔得業ノムス出家セシメテ
 大尼授シメ信如房ト名玉(=給)ケリ 略
 信如房 法花(華)寺 正法寺 中宮寺ノ三ケ寺ノ長老ニテ
 信如長老トヨハレ玉ケリ 云々」
東京国立博物館 デジタルライブラリー 太子伝聖誉抄下P43 14行~)
還俗して子をなした璋円さん、彼のお嬢さんは具足戒を授けられ
「信如房」と名付けられたとの事。後には「信如長老」と。
*具足戒
(「具足」は近づくの意で、涅槃に近づくことをいう。) 仏語。
比丘、比丘尼が受持する戒律。
四分律では、比丘は250戒、比丘尼は348戒を数える。
*比丘
仏語。出家して具足戒を受けた男子。転じて、一般に僧をいう。
*比丘尼
仏語。出家して具足戒を受けた女子。尼。
(日本国語大辞典 精選版 小学館)  
比丘尼が圧倒的に戒律数が多いのは一体どうして?
これって差別ではないのかしら? 続く。

Kikyou

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