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2023年7月15日 (土)

天寿国曼荼羅繍帳は最初法隆寺に 861

「帷(帳)二張」についての注意書きです。
思うに、この帳の「残片」は「中宮寺」の蔵にある。
「天寿国曼荼羅」と称えられている。
この注意書きを記述された方は
「天寿国曼荼羅」の「残片」が中宮寺にある事をご存じだったんです。
注意書き以前の「上宮聖徳法王帝説」記載者は
最初は「法隆寺蔵」を聞き及んでいたものの
記載時点では在所不明だったと云う事ですから。
更に、注意書き執筆者は
「天寿国曼荼羅」の図像は殆ど剥落、
「亀甲文字」は12文字、亀さん3匹しか確認されなかったと。
この事実認識はやや亀不足も「今現在」と殆ど遜色ありません。
ところで、この注意書き執筆者は「狩谷望之」さん。
*狩谷望之(1775~1835)・・・江戸後期 日本古代文化研究・考証学者
狩谷棭斎エキサイ》蔵書印 〈国立国会図書館〉)
今まで紹介した「上宮聖徳法王帝説」は「法王帝説證注」でした。
こちらは文政4年(1821年)2月の書とあります。
国立国会図書館 電子図書館 法王帝説證注 P25 10行目)
彼は「上宮聖徳法王帝説」を読み解き「詳細な注」を施し
世に出されたのです。
但し、この「法王帝説證注」は
明治43年(1910年)7月 長田権次郎 校訂 裳華房 発行に依り
活版印刷本で世に普及したのです。
「上宮聖徳法王帝説」の原本される写本はこちらに。
国立国会図書館 電子図書館 上宮聖徳法王帝説 P13 10行目)
因みに、「法王帝説證注」はこちらですので合わせてご覧下さい。
国立国会図書館 電子図書館 法王帝説證注 P15 15行目)
この原本写本は解説に「知恩院蔵上宮聖徳法王帝説」とあります。
国立国会図書館 知恩院上宮聖徳法王帝説 P19~
又、この原本写本の最初持ち主は「相慶(傳得僧相慶之)」(同P16)。
この解説に依ると、「相慶」は「平安朝の末に在りし人なり」と。
更に、この原本写本の「印」から最後の持ち主は「鵜飼撤定」。
*鵜飼(養鸕)撤定(1814~1891)・・・京都知恩院75世(1874年)
そして、この書物は
「法隆学問寺の住(僧)侶」→「勧学院(法隆寺)の文庫」→撤定蔵書
→「知恩院(現在は国宝《1955/02/02~》)」と転々てんまりの顛末。
 続く。

Asagao

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