熊本城跡出土鉄刀 甲子年604年 843
取り急ぎ、日本書紀への戯れ言はこれ位にして
厩戸大王(皇子)の御代に戻ります。
今年の1月に何と昨年4月に熊本城跡(千葉城地区)から出土した
「鉄刀」の調査・分析結果が熊本大・熊本市から発表され、
X線CT調査で「文字(甲子年五月中)」が発見されたとの事です。
「『甲子年』の銘文入り鉄刀 熊本で発見、604年製作か」(日経Web)
「古墳時代の鉄刀に象嵌の銘文~」(熊本日日新聞)
「鉄刀(片刃)」は
以前「獲加多支鹵大王→雄略帝 江田船山古墳」で紹介しました。
この時代は「治天下獲◯◯◯鹵大王(=雄略帝)」とされています。
雄略帝の在位期間は456年~479年(この間に「甲子年」は無し)。
これ以降の「甲子年」は484年・544年・604年・664年で、
熊本市熊本城調査研究センターは
「鉄刀の装飾などの特徴から604年に製作された可能性が高い」
と表明されています。
もし、604年の「甲子年」とすると、とても画期的です。
「歳次甲子正月戊申(戌)朔 始用暦日」をご確認下さい。
なな何と、この年、
「小治田朝(=豊御食炊屋姫→推古帝)十二年
甲子年正月一日を以て暦を用い始めた」と。
(干支紀年法採用・表記の正式スタートとも云えます。
又、各紀年法は「即位・元号・干支紀年法等」にてご確認下さい。)
因みに、今年は「癸卯(みずのと・う)」年で兎(うさぎ)年。
次の「甲子年」は21年後の2044年になります。
(詳しくは「旧暦・十干十二支・陰陽五行説」にて。)
偶然とは思えますが、この「熊本鉄刀文字発見」ニュースの3日前、
日本最大の「円墳」(奈良県奈良市富雄丸山古墳)から
国内最大の「盾形青銅鏡」と「蛇行剣」が発見されたとの報道も。
「国内最大の鏡と剣出土『金工の最高傑作』~」(日経Web)
この円墳は4世紀後半築造と推察されていますので
残念ながら「厩戸大王(皇子)」の「御陵」ではございません。 続く。
