始皇帝の夢にも出る徐福(徐巿) 825
「史記」に「徐福(徐巿)の蓬莱山伝説」は更に叙述されています。
「又使徐福入海求神異物 還為偽辞曰
『臣見海中大神
言曰 汝西皇之使邪
臣答曰 然
汝何求
曰 願請延年益寿薬
神曰 汝秦王之礼薄 得観而不得取
即従臣東南至蓬莱山 見芝成宮闕 有使者銅色而龍形 光上照天
於是臣再拝問曰
宜何資以献
海神曰 以令名男子若振女与百工之事 即得之矣』
秦皇帝大説 遣振男女三千人 資之五穀種種百工而行
徐福得平原広沢 止王不来」
(国立国会図書館 史記 淮南衡山列伝第五十八 P14 13行)
ここの部分は徐福の「偽辞曰(偽り文言)」で嘘八百の虚言。
先週、紹介した「秦始皇本紀」の内容が被っています。
「大神(=神仙人)」は「徐福」を「蓬莱山」に連れて行き、
「寿薬(=不老不死の仙薬)」が欲しければ
「令名男子若振女与百工之事(名高い若き男女と様々な道具)」を
献上すれば得られると述べたと徐福は始皇帝に偽証。
始皇帝は「寿薬欲しさ」に目が眩み、まんまと欺され、海原の出た
徐福は「平原広沢」を得てそこの「王」に止(とど)まったと。
この記述から先週紹介しました「秦始皇本紀」自体も絵空事に。
これだけではありません。「徐巿(徐福)」はまだ登場します。
「(B.C.212年)徐市等費以巨万計 終不得薬」
(国立国会図書館 史記 巻六 秦始皇本紀 P30 16行)
徐市等 費(ついえ)巨万を以て計(かそ)う 終(つい)に薬を得ず。
ここは伝聞ですが
徐市に多額を費やしたが結局仙薬は得られなかったと。
「(B.C.210年)方士徐市等入海求神薬 数歳不得 費多 恐譴
乃詐曰 蓬莱薬可得 然常為大鮫魚所苦 故不得至
願請善射与俱 見則以連弩射之」
(国立国会図書館 史記 巻六 秦始皇本紀 P34 5行)
ここは始皇帝の夢の中、徐市の仙薬を得られない理由として、
海原の行く手に「大鮫魚」がいて蓬莱山にたどり着けませんので
「連弩(連射弓)」の名手をお与え下さいと詐られる夢物語。
夢にも出現する「徐巿(徐福)」始皇帝の長寿願望がそれ程強かった。
始皇帝はこの年、願い叶わず50歳であの世に旅立たれています。
続く。
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