とても合理的発想な匈奴人 719
司馬遷の史記に依ると
モンゴル大草原遊牧騎馬民族、匈奴は非常に合理的発想の持ち主。
「利則進 不利則退 不羞遁走」
(利があれば進み、利が無ければ退き、退き逃げる事を羞恥しない)
*「利」・・魂(心、精神)・物(物質、事物)の効用
「壮者食肥美 老者食其余 貴壮健 賤老弱」
(働き盛りの人は美味しいものをお腹一杯食し、
リタイヤーした方々は彼・彼女らの残り物を頂く。
体が丈夫で元気者を貴び、
老いぼれ爺さん・婆さん・子供はそれなりに。)
これは、決して、老人・子供虐待ではないのです。
自然と共に生きる民が自然界で生き抜く摂理。
現役を引退した爺さん・婆さん達は
喜んで若壮年達に美味しいものを先に食してもらったと考えます。
働かざる者食うべからず、怠け者は当然、食してはいけません。
次は合理的か否かは賛否が分かれるところです。
「父死 妻其後母 兄弟死 皆取其妻妻之」
(父が死すれば、その後母を妻とし、
兄弟が死すれば、皆その妻を取って「之(これ)」を妻とする)
ギリシャ神話のオイディプスとは違い父を殺害する訳ではありません。
又、「『いき』の構造」の著者、九鬼周造が兄死後兄嫁と結婚します。
しかし、この場合は匈奴の習俗(結婚形態)とは全く異なります。
匈奴人の皆さんは恋愛感情を抜きにした結婚制度だったのです。
この制度により族(社会)集団の「結束」を図ったのです。
「個々人」よりも「血の繋がり」を大切にされた民族だったのでは。
続く。
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