自然の姫神・天女 卑弥呼 698
「統一部族連合国(呪術宗教的遺制付)」の倭人の国々。
陳寿の倭国伝では卑弥呼さんを女王とする政治組織形態は
「自ずと」・「ひとりでに」・「自然に」出来上がった感があります。
しかし、卑弥呼さんの描写で「「鬼道に事(つか)え」」が気になります。
「鬼道」と云う語句を「張魯母、及び張魯」で陳寿は使用しています。
「張魯母始以『鬼道』 658」
「張魯母始以鬼道 又有少容 659」
「張魯 漢中にて布教活動 660」
「鬼道が 巴・漢中を制する 661」
をご確認下さい。
こちらの「鬼道」では一時、「張魯の母」が長(おさ)になっていますが
基本的には息子の「張魯」が「鬼道(宗教)の頭目」です。
一方、倭人のリーダー、卑弥呼さんは
倭人の国々と統率する立場であり、「呪術宗教」も司っているのです。
否、「呪術宗教」を掌っていたので、倭人の国々の束ねていたのです。
重要な事は卑弥呼さんが「女性」である事。
従って、「張魯母、及び張魯⇒鬼道」と「卑弥呼さん⇒鬼道」とは
全く、似て非なるものと考えます。
倭人の皆さんは卑弥呼さんを女王と云うよりも
「自然の姫神・天女」と捉えていたと思えるのです。
倭人の皆さんは
「自然」が恵み(生命果実)を与えて下さる如く
「女性」がこの世に生命を生み出す現象に
驚異・畏怖・畏敬を覚え続けいたのではないでしょうか?
そして、この「母性共同体」の「遺制」は多大な「武力(軍事力)」を
必要とする政治権力の世を迎える平安時代末期頃以前迄、
(ex.通い婚など)脈々と受け継がれたと考えます。
否、今の世もきっとそうなのでは・・・・・。 続く。
尚、先週紹介しました門田誠一(仏教大学)さんが「鬼道」に関して
詳しく分析されています。
「卑弥呼の鬼道に関する歴史考古学的検討」
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