宮廷儀礼 玉璋を掲げ玉座へ 684
夏商集団(後の夏王朝)が企画・制作した「宮廷儀礼」とは。
見る人を完膚無きまで圧倒する桁違いのイベントショーとは。
先ず、夏王朝リーダー(王)と観客との対面構造。
観客が王を「見上げる」目線となる、庭と壇上(朝堂)との装置設定。
イベント日当日の早朝から観客はイベント会場(市場⇒朝庭)に入場。
(但し、観客はお土産<献上品=朝貢品>持参の事)
一番最後に王はゆっくり厳かに「玉璋」を掲げ、壇上に進み、玉座へ。
*玉璋・・高価な「玉」製の祭祀具
枝(取っ手)部分を「龍」で象った夏王朝特製祭祀具に。
「玉璋」は
中国東部山岳地域で神への祈り用具として使用されていたものとか。
「龍」は
夏商集団(後の夏王朝)が聖霊として信仰していた「水神」。
龍について、女性民俗学者「吉野裕子(1916~2008)」さんは
「中国では祖先神は、伏羲と女媧という人間蛇身の夫婦神である。
略 古代には、人間の蛇への変身、または蛇の人間への変身が
信じられていた。雨をもたらすものとしての『竜』は、すべての善事
の象徴である。五つの爪をもった竜は皇帝の権力を表わし、皇帝に
関して竜顔・竜座などの語があり、竜は皇帝の守護神である。」
(日本人の死生観 蛇 転生する祖先神 P18 河出書房新社)
と記されています。
*伏羲(ふっき)・・中国の伝説上の皇帝
*女媧(じょか)
中国における伝説上の人頭蛇体の女神。
五色の石を練って天の割れめを修繕したという。
(日本国語大辞典 小学館)
龍は又後に触れます。 イベントの続きは
王の着席を以て、「三跪九叩頭(さんききゅうこうとう)」。
三回跪き、各々三回頭を下げる挨拶はかの時代あったか不明ですが
何らかの王と観客との挨拶行為、相コンタクトはあった筈。
その次は
王お世話役担当者からの口上
「遠路はるばるお足元の悪い中お越し下さいまして・・・・・。」
お次は
観客持参のお土産(貢ぎ物)の披露。
観客の皆さんの内訳は
各商都の夏商リーダー
各部族の首長、或いは、遣使(代理人)
夏王朝の高級官吏(夏王世話役の長)
夏王朝の手工・土木担当者の長
選りすぐった農業従事者の長
この披露は時間の許す限り?
とは云うものの手短に済ませたと思われるのですが?
続く。
| 固定リンク
コメント