項羽 虞美人とお別れ 617
連戦連勝を誇った項羽軍ですが、天が味方せず「垓下」で四方八方
劉邦軍に包囲されます。夜になると回りから聞き慣れた楚国の歌が
聞こえ、項羽は既に楚国が敵に落ちてしまったのかと驚愕。
これが世に云う「四面楚歌」。
もはやこれ迄と項羽は愛(いと)しい虞美人へお別れの詩を送ります。
垓下の歌
力抜山兮気蓋世
時不利兮騅不逝
騅不逝兮可奈何
虞兮虞兮奈若何 (史記 項羽本紀 項羽の切ない七言四句詩)
*抜山蓋世(ばつざんがいせい)
(「力抜レ山兮気蓋レ世」
山を抜き取るほどの力と、
一世をおおい尽くすほどの気力の意から)
威勢がきわめて強く、元気が非常に盛んであること。
(日本国語大辞典 精選版 小学館)
*騅(すい)・・・項羽が戦で騎乗した愛しい名馬
「誰よりも抜群の力と覇気がある私だが、
天の時は私に味方をしない、
愛馬「騅」も力尽き前へ進まない、
虞や虞、私は貴女をどの様にしたらよいのか。」ってな感じ。
項羽を慕う虞美人は彼の窮状をを察し、足手まといにならないよう
泣くゝゝ自害の道を選ぶのです。
(虞美人自害は「史記」情報ではなく「漢楚軍談」から)
後に彼女を弔った墓の回りに淡紅の花をつけた雛芥子(ひなげし)が
咲いたそうな。この逸話から「ひなげし」が「虞美人草」に。
台湾出身ある歌手の「ひなげし花」もここから?
「来る来ない帰らない帰る あの人はいないのよ遠い街に行ったの♫」
尚、項羽の素敵な詩の原文はこちらでご確認を
「国立国会図書館 電子図書館蔵書 「史記 項羽本紀」 14行」
続く。
| 固定リンク
コメント