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2017年10月14日 (土)

項羽 虞美人とお別れ 617

連戦連勝を誇った項羽軍ですが、天が味方せず「垓下」で四方八方
劉邦軍に包囲されます。夜になると回りから聞き慣れた楚国の歌が
聞こえ、項羽は既に楚国が敵に落ちてしまったのかと驚愕。
これが世に云う「四面楚歌」。
もはやこれ迄と項羽は愛(いと)しい虞美人へお別れの詩を送ります。

垓下の歌

力抜山兮気蓋世
時不利兮騅不逝
騅不逝兮可奈何
虞兮虞兮奈若何 (史記 項羽本紀 項羽の切ない七言四句詩)

*抜山蓋世(ばつざんがいせい)
 (「力抜レ山兮気蓋レ世」
  山を抜き取るほどの力と、
  一世をおおい尽くすほどの気力の意から)
  威勢がきわめて強く、元気が非常に盛んであること。
 (日本国語大辞典 精選版 小学館)
*騅(すい)・・・項羽が戦で騎乗した愛しい名馬

「誰よりも抜群の力と覇気がある私だが、
 天の時は私に味方をしない、
 愛馬「騅」も力尽き前へ進まない、
 虞や虞、私は貴女をどの様にしたらよいのか。」ってな感じ。

項羽を慕う虞美人は彼の窮状をを察し、足手まといにならないよう
泣くゝゝ自害の道を選ぶのです。
(虞美人自害は「史記」情報ではなく「漢楚軍談」から)
後に彼女を弔った墓の回りに淡紅の花をつけた雛芥子(ひなげし)が
咲いたそうな。この逸話から「ひなげし」が「虞美人草」に。
台湾出身ある歌手の「ひなげし花」もここから?
「来る来ない帰らない帰る あの人はいないのよ遠い街に行ったの♫」

尚、項羽の素敵な詩の原文はこちらでご確認を
国立国会図書館 電子図書館蔵書 「史記 項羽本紀」 14行」
 続く。

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