「孫子」兵法 少しだけ 3 始如處女 後如脱兎 614
「孫子」に関わる過ぎると本題に進めませんので日本の戦国時代
武田信玄が孫子から取り入れた戦術「風林火山」を紹介して
終わりにしようと思います。
「軍争第七」
前略
故兵以詐立
以利動
以分合爲變者也
故
其疾如風
其徐如林
侵掠如火
不動如山
難知如陰
動如雷震
掠郷分衆
廓地分利
懸權而動
先知迂直之計者勝
此軍爭之法也
(国立国会図書館 電子図書館蔵書 「魏武帝註孫子」 軍争 15行)
「そこで、戦争とは敵の意表をつくことにはじまり、
利益の追求を動因として、分散と統合とをくりかえしつつ、
たえず変化をとげるものである。だから軍隊は
風のように迅速に進み、
林のように静まりかえって待機し、
火(燃えあがる火)のように侵掠し、
山のようにどっしりと腰をすえ、
陰(暗闇)のように見分けがつかず、」
雷のように激しく襲い、
村里を掠奪するときは兵士を手分けし、
土地を奪い領土の拡張をはかるときは要点を分守し、
利害得失をはかりにかけて打算したうえで行動する。
相手にさきんじて遠い道のりを近道にかえるはかりごとを
わきまえている者は、勝つ。
これが戦争の原則である。」
(「『孫子』 町田三郎訳注 中公文庫」 p50)
(町田氏は「宋本十一家注孫子」を採用され、「山」と「陰」を逆にされ
ています。又、「陰」を加筆しました。)
それでは、「孫子」最後の最後、ZIPANGU お気に入り箇所から
「九地第十一」の結論
是故
始如處女
敵人開戸
後如脱兎
敵不及拒
(国立国会図書館 電子図書館蔵書 「魏武帝註孫子」 九地 15行)
上は略して「始如處女 後如脱兎」
「始めは處(処)女の如く、後は脱兎の如し」
「始めはをとめ(乙女)・をとこ(童子)の振りをし
隙が見えたら一気豹変、たおやめ(手弱女)・ますらお(益荒男)に」
ってな感じでは? 但し、女傑・猛者はいけません。
これって、「争いごと」のみならず、「恋の駆け引き」にも・・・・・。
続く。
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