女鳥王の玉釧(ブレス)ドラマ 517
女鳥王と速総別王の殺害を仁徳帝(大雀命)に命令された軍団長は
山部大楯連(やまべのおおたてのむらじ)さん。
このオッサンはとても心狭くセコイ方。
女鳥王を殺害した際、何と不届きか、彼女の「玉釧(たまくしろ)」を
奪い、自分の「妻(連れ合い)」にあげたのです。
*釧は小玉・小鈴等で装飾されたブレスレット。玉釧の玉は美称。
昨今ではスワロスキーが鏤(ちりば)められたブレス感じ。
暫くして、「豊楽(宴)」の催しが宮中にて開催。
「氏氏之女(豪族とその奥様)」の方々が招待される事に。
「皆朝参」から宮中と推察できるのですがここで不可思議な事が。
この催しであの嫉妬妻、石之姫命が接待。
彼女は意地を通し難波に帰らず、
山代〈城・背〉国の養蚕家、奴理能美の邸宅に留まっていた筈。
それとも、後に彼女は女心を折り、難波にお戻りになったのか?
その石之姫命、おん自ら「柏(盃)」を皆さんにお配りになるのです。
そしてドラマが。
この宴に山部大楯連の奥様も招かれていたのです。
女性達はさぞかし、ドレスアップされご出席されたのでしょう。
山部大楯連の奥様はあの玉釧がとてもお気に入りだったのでしょう。
ここぞとばかり輝くブレスをお付けになっていたのです。
そのブレスに石之姫命は即、気づくのです。
あのブレスはわたくしの恋い敵、八田若郎女の妹、女鳥王の持ち物と。
子細を想像できた石之姫命は山部大楯連の連れ合いには盃を渡さず
宴からの退出を促します。
何も事情を知らない山部大楯連の連れ合いは突然の出来事に
さぞビックリされた事でしょう。
山部大楯連は早速召し出され「死刑」に処せられた。
ここの描写の驚きは
「膚温剥持来」(膚〈はだ〉も温けきに、剥ぎ持て来て)
とてもリアルで直観的な表現。
石之姫命がまさに現場にいらした感の激描写です。 続く。
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