女鳥王の懇願、隼は雀を殺めて 515
女鳥王の織っている生地が速総別王の「襲(おすひ)」と知り
仁徳帝(大雀命)は「知其情(女鳥王のお気持ち)」。
時の最高権力者を目の前にして
彼の庇護を大胆不敵にも拒否した女鳥王。
とっても、素敵なお方。 女性の鑑です?
きっぱり・はっきりお断りされた仁徳帝(大雀命)は
すごすごお家の帰る始末。
丁度(ちょうど)か計ったようにか
この時、速総別王は彼女の所に戻ります。
彼女はご自分のお部屋にずかずかおいでになった仁徳帝(大雀命)に
カチンときたのか?彼に歌で訴えます。
比婆理波(ひばり〈雲雀〉は)
阿米邇迦氣流(あめ〈天〉にかけ〈翔〉る)
多迦由玖夜(高行くや)
波夜夫佐和氣(速総〈隼〉別)
佐邪岐登良佐泥(さぎき〈鷦鷯〉と〈取〉らさね)
*鷦鷯(さぎき)は、ミソサザイの古名とか。
雲雀はスズメ目ヒバリ科の小鳥。
鷦鷯はスズメ目ミソサザイ科の小鳥。
隼はタカ目ハヤブサ科の鳥。
圧倒的に隼は雲雀・鷦鷯に比して大きく、空高く飛翔します。
大胆にも女鳥王は
「隼=速総別王に鷦鷯=仁徳帝(大雀命)を懲らしめて!」って。
余談ですが、鷦鷯は鳴き声が良く、一夫多妻とか。
女鳥王の速総別王への多分「囁(ささや)き」と思われますが
この囁きがオカシイ事に仁徳帝(大雀命)の耳に届いてしまうのです。
決して、
女鳥王はこの憚(はばか)る事を大声でおっしゃたとは思えません。
彼女のお側におられたどちら様かがチクッタのでしょう?
女鳥王に肘鉄を食らった仁徳帝(大雀命)は
大人の振る舞いでどうにか平静を保とうとされたと思うのですが
さすがにこの情報をお聞きになっては動揺。
愛しい八田若郎女の妹に当たる女鳥王とイケメン?の速総別王の
殺害する為、軍(武力軍団)を動かします。 続く。