« 女鳥王と速総別王との恋物語 513 | トップページ | 女鳥王の懇願、隼は雀を殺めて 515 »

2015年4月19日 (日)

仁徳帝(大雀命)を袖にする女鳥王 514

仁徳帝(大雀命)もご多分に漏れずとても恋多きお方なのです。
あのお子様に恵まれなかった八田若郎女への思いにも関わらず
なな、何と彼女の妹、女鳥王も好きになり、ちょっかいを。
彼女らの系譜は「応神帝は10名の奥様を」でご確認を。
仁徳帝(大雀命)は思いを女鳥王に自ら告(コク)らず
弟の速総別王(前出は速総別命)を恋のメッセンジャーに仕立てます。
速総別王(速総別命)も先ほどの系譜に登場しています。
当然、女鳥王と速総別王は応神帝を父とする異母兄弟姉妹。
仁徳帝(大雀命)の命の通り、
速総別王は帝の気持ちを女鳥王に伝えます。
すると彼女は速総別王に大胆・率直に思いを吐露。
「帝の奥様はとっても怖く、私の姉、八田若郎女もお困り様子。
 だから、わたくし、やめとくわ。」
「それより、わたくしを貴男の妻になさらない!」
と云う、女鳥王からの逆告白です。
たぶん、速総別王は女鳥王をお好きだったのでしょう?
お若い二人は、「即相婚」。 婚(くな)ぐ=合体
只、速総別王はこの経緯(いきさつ)を仁徳帝(大雀命)のお叱りを
畏れたのかご報告されなかったのです。
帝のお好きな女性を(女鳥王からのモーションとは云え)横取りした
のですからばつが悪かったのでしょう。
速総別王から色よい返事がなかったので
仁徳帝(大雀命)はいてもたってもいられなく
おん自ら女鳥王のお部屋をご訪問。
女鳥王は云うと「機(はた)」で「織服」(生地作製)の最中でした。
すかさず仁徳帝(大雀命)は歌で(彼女の気持ちを)探ります。

賣杼理能(めどり〈女鳥〉の)
和賀意富岐美能(わ〈吾〉がおほきみ〈王〉の)
淤呂須波多(お〈織〉ろすはた〈服〉)
他賀(た〈誰〉が)
多泥呂迦母(たね〈料〉ろかも)      料は為(ため)

女鳥王は平然と歌でお答えします。

多迦由久夜(たかゆ〈高行〉くや)
波夜夫佐和氣能(はやぶさわけ〈速総別〉の)
美淤須比賀泥  (みおすひ〈御襲〉がね)

すげなく、仁徳帝(大雀命)を袖にする女鳥王。       続く。

*襲(おすい)は頭から被って衣裳の上を覆う服。

|

« 女鳥王と速総別王との恋物語 513 | トップページ | 女鳥王の懇願、隼は雀を殺めて 515 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 女鳥王と速総別王との恋物語 513 | トップページ | 女鳥王の懇願、隼は雀を殺めて 515 »