« 沼辺で憩う女性に日耀如虹指其陰上 491 | トップページ | 赤玉は阿加流姫神 493 »

2014年11月 2日 (日)

赤玉は天日矛へ 乙女に変容 492

 嫌らしき男はどうも農業経営者だった感じ。
 彼の農地は平地ではなく 「山谷(山中)」 にあったとか。
 そこで汗水流す耕作者に食事を届けるのが彼の仕事の一つ。
 彼は山間の農地まで牛を使って食事デリバリー。
 決して、かの時代、2輪・4輪のお車はございません。
 ある時、お届け中、前出の新羅国王のご子息、「天之日矛」に遭遇。
 天日矛はいきなり食事配達中の彼にご質問。
 「どうしてお前は食事を牛に乗せて『山谷(山中)』に入るの?
  お前は最終的にはこの牛を食べてしまうんじゃないか?」 と
 そうして天日矛は即、(牛殺の罪?で)牢獄に入れようとします。
 嫌らしき男はあわてふためき答えます。
 「私は牛を殺すつもりはありません。
  只、私の農地で耕す人々の食事を運んでいるだけです。」 と。
 すると天日矛は怪訝な顔を浮かべ「赦」してくれそうもない感じ。
 仕方なく、嫌らしき男は後生大事と日々体に着け持ち歩いていた
 例の 「赤玉」 をに贈呈したのです。
 すると、天日矛は男を許して放免。
 「赤玉」 は天日矛にとってもそれは貴重なものだったのでしょう?
 この次の件(くだり)が奇想天外・摩訶不思議な展開に。
 嫌らしき男から貰い受けた 「赤玉」 をお家の床に置いていたところ
 「即(たちどころに)」その 「赤玉」 は「化美麗孃子」に。
 「赤玉」 は何と、見目麗しいお嬢さん(乙女)に変容したのですって。
 天日矛は彼女の美貌に絆(ほだ)され、いち早く愛の行為を。
 そして、妻としてしまうのでした。
 天日矛の連れ合いになった彼女はかいがいしくも日々彼に
 数々の世にも珍しい「珍味」を用意し「食(しょく)」させるのです。
 天日矛は新羅リーダーのご子息だった故、お金には不自由なし。
 それ故、有り余る気配りができて、更に美しき妻となれば
 有頂天になる事、必定。
 何が原因だったか知り得ませんがある時のこと、
 天日矛は心「奢」り彼女を「詈(ぞんざいに扱うもの云)」をしたそうな。
 ほんと、男性は幾つになっても子供みたいに駄々を捏ねる無邪気さ。
 これって困りものですことよ。
 この仕草を 「かわいい」 っておっしゃるのは赤の他人。
 お身内になれば 「いい加減にしなさい」 に。                  続く。

|

« 沼辺で憩う女性に日耀如虹指其陰上 491 | トップページ | 赤玉は阿加流姫神 493 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 沼辺で憩う女性に日耀如虹指其陰上 491 | トップページ | 赤玉は阿加流姫神 493 »