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2014年7月27日 (日)

応神帝 髪長姫を大雀命に譲る 480

 綺麗な女性に目がない殿方、応神帝もご多分に漏れず
 日向国のロングヘアーの美くしき女性の情報がもたらせられると
 早速、彼女(髪長姫)を呼び出します。
 権力が伴う男性はこれがいとも簡単におできになれるから素敵っ。
 それはさて置き、彼女は帝の思し召しですから早速都へ旅立ち。
 日向国に住まう髪長姫ですから、瀬戸内海を東上したのでしょう。
 舟旅に終わりを告げ難波津で休息をお取りになっていた際、
 なぜか、大雀命(おおさぎさのみこと=後の仁徳帝)が難波津に
 おられ彼女をチラミする機会があったのでしょう。
 お若い大雀命 「姿容之端正」 な彼女に一発で胸キュン。
 難波津界隈でお遊びになっておられた大雀命はいつも
 見慣れない彼女の存在にピーンと来たのでしょう?
 きっと以て、父の応神帝の為せる業と。
 早速、父の懐刀、建内宿禰大臣にお・ね・が・い。
 「彼女が欲しい」 と直接畏れ多い父には云えず建内宿禰大臣に依頼。
 建内宿禰大臣はその旨応神帝にお伝えすると
 快く?承諾下さったのです。
 頃合いは 「豊明之日(とよあかりのひ)=新嘗祭」、
 今年の五穀豊穣を祝い、新穀を食し、諸臣に振る舞う日。
 (彼女を新穀扱いされたのかしら? それはいけません事)
 更に酒宴の最中、髪長姫に 「大御酒柏(柏製の杯)」 を大雀命に
 渡すよう促し、そこで一歌。
                                     
伊邪古杼母(いざこども〈子等〉)
怒毘流都美邇(のびる〈野蒜〉つ〈摘〉みに)
比流都美邇(ひる〈蒜〉摘みに)
和賀由久美知能(わ〈吾〉がゆ〈行〉くみち〈道〉の)
迦具波斯(かぐ〈香〉はし)
波那多知婆那波(はなたちばな〈花橘〉は)
本都延波(ほ〈上〉つえ〈枝〉は)
登理韋賀良斯(とり〈鳥〉ゐがら〈居枯〉らし)
志豆延波(し〈下〉づ枝は)
比登登理賀良斯(ひと〈人〉と〈取〉り枯らし)
美都具理能(みつぐりの)
那迦都延能(なか〈中〉つ枝の)
本都毛理(ほつもり)
阿迦良袁登賣袁(あか〈赤〉らをとめ〈嬢子〉を)
伊邪佐佐婆(いざ〈誘〉ささば)
余良斯那(よ〈宜〉らしな)
                               
 続けてもう一歌。
美豆多麻流(みず〈水〉たま〈溜〉る)
余佐美能伊氣能(よさみ〈依網〉のいけ〈池〉の)
 * 依網・・・川波と海の波とが相寄せる所
韋具比宇知(ゐぐひ〈堰杙〉う〈打〉ち)
比斯賀良能(ひしがらの)
佐斯祁流斯良邇(さしけるし〈知〉らに)
奴那波久理(ぬなはくり)
波閉祁久斯良邇(はへけく知らに)
和賀許許呂志叙(吾がこころ〈心〉しぞ)
伊夜袁許邇斯弖(いやをこにして)
伊麻叙久夜斯岐(いま〈今〉ぞくや〈悔〉しき)

 最初の歌で応神帝は歳にも関わらず?うら若き乙女を
 お嫁さんにするつもりでうきうき。
 しかし、次の歌では息子の大雀命が彼女を所望したい情報を得て
 よくよく考えてみるとご自分の鼻の下の長さとエゴに呆れ、
 ちょっぴり悔いを残すも大雀命に髪長姫を譲るのです。    続く。

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