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2014年7月13日 (日)

眉化粧した名宮主矢河枝姫 478

 近淡海国 (近江国)を目指す応神帝は 「木幡村」 に。
 (木幡村は現在の京都府宇治市木幡)
 その地で 「麗美孃子(麗しく・美しいお嬢さん)」 に遭遇。
 応神帝は即、胸キュンで
 「あなたは誰のお子さんじゃ」 と声をかけるのです。
 眉目秀麗なお嬢さんは
 「私は丸邇之比布礼能意冨美之女名宮主矢河枝姫です。」
 (わにのひふれのおほみの娘でみやぬしやかわえひめ)
 と答えます。
 すると応神帝は
 「明日、お家に帰る時、貴女の処に寄るね」 と。
 と云うことはお嬢さんの名前を聞いただけで彼女の居場所が
 分かる程、丸邇之比布礼能意冨美は木幡村ではメジャーなお方に。
 初(うぶ)な?彼女は唐突な申し出にビックリしなかったのかしら
 近江へ向かう応神帝一行が遠くになると早速彼女はお家へ。
 父に、今し方、こんな、事があったのですとつぶさにご報告。
 父は娘の報告にそのお方は畏れ多くも 「帝」 であると確信。
 娘の宮主矢河枝姫に応神帝に召されるように促します。
 早速、丸邇之比布礼能意冨美は家を飾り整え供応も準備万端で
 明日の応神帝のお越しを娘と共にお待ちします。
 翌日、応神帝は予定通りのご訪問。
 先ずはご挨拶?、ご接待のお食事へ。
 宮主矢河枝姫は応神帝に神酒を注がれた盃を差し上げる役。
 そこで応神帝の一歌。
                                    
許能迦邇夜(このかに〈蟹〉や)
伊豆久能迦邇(いづくのかに〈蟹〉)
毛毛豆多布(ももづたふ)
都奴賀能迦邇(つぬが〈角賀=敦賀〉の蟹)
余許佐良布(よこ〈横〉さらふ)
伊豆久邇伊多流(いづくにいた〈至〉る)
伊知遲志麻(いちぢしま)
美志麻邇斗岐(みしまにとき)
美本杼理能(みほどりの)
迦豆伎伊岐豆岐(かづきいき〈息〉づき)
志那陀由布(しなだゆふ)
佐佐那美遲袁(ささなみぢを)
須久須久登(すくすくと)
和賀伊麻勢婆夜(わがいませばや)
許波多能美知邇(こはた〈木幡〉のみち〈道〉に)
阿波志斯袁登賣(あ〈逢〉わししをとめ〈乙女〉)
宇斯呂傳波(うしろ〈後〉では)
袁陀弖呂迦母(をだて〈小楯〉ろかも)
波那美波志(はな〈歯並〉みはし)
比斯那須(ひし〈菱〉なす)
伊知比韋能(いちひゐ〈櫟井・・・地名〉の)
和邇佐能邇袁(わにさ〈和邇坂〉のに〈土〉を)
波都邇波(はつに〈初土〉は)
波陀阿可良氣美(はだ〈膚〉あか〈赤〉らけみ)
志波邇波(しはに〈底土〉は)
邇具漏岐由惠(にぐろ〈丹黒〉きゆえ)
美都具理能(みつぐり〈三栗〉の)
曾能那迦都邇袁(そのなか〈中〉つに〈土〉を)
加夫都久(かぶ〈顔〉つく)
麻肥邇波阿弖受(まひ〈真火〉にはあ〈当〉てず)
麻用賀岐許邇(まよ〈眉〉が〈描〉きこ〈濃〉に)
加岐多禮(か〈描〉きた〈垂〉れ)
阿波志斯袁美那(あ〈逢〉わししをみな〈女〉)
迦母賀登(かもがも)
和賀美斯古良(わ〈我〉がみ〈見〉しこ〈子〉ら)
迦久母賀登(かくもがと)
阿賀美斯古邇(我が見し子に)
宇多氣陀邇(うたけ〈宴〉だに)
牟迦比袁流迦母(む〈向〉かひをるかも)
伊蘓比袁流迦母(いそ〈添〉ひをるかも)

 突如、ズワイ蟹の登場。冬の海鮮味覚の代表。
 ズワイ蟹には北から松葉蟹、紅ズワイ蟹、越前蟹等々。
 それはさて置き、
 「都奴賀(角賀)蟹(=応神帝)は美女捜しに色んな処へ横歩き。
  ご自分で探索した感じ。(これはとっても偉い!)
  ところが都奴賀(角賀)にまっすぐ向かったら
  宇治の木幡で麗美孃子とご対面。
  彼女は濃い眉毛描ぎメイクで応神帝を一発で魅惑。
  昔から求めていたそんな彼女が今私の側に」 ってな感じ。 
 そして、二人は結ばれ、応神帝が世継ぎにしたい
 宇遅能和紀郎子(うじのわきのいらっこ)がお生まれになったのです。
 応神帝は彼女にゾッコンだったのですね。                   続く。

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