少名御神醸造お酒は楽酒 474
都奴賀=角鹿(福井県敦賀)のお話から一転、
母である息長帯姫命(神功皇后)が登場。
この息長(おきなが)について。
現在は滋賀県米原市に当たり、昔は近江国坂田郡息長村と云う
地名が存在しました。
彼女はかの地の出自だったと考えられます。
彼女は禊ぎが終わり倭国に凱旋する我が子と建內宿祢命らに
「待酒(無事帰還お祝い酒)」 を用意し振る舞います。
祝杯を傾ける太子らを御覧になり彼女は喜びの歌を。
(太子〈後の応神帝〉はお酒を召し上がれるお年頃だったの?)
許能美岐波(このみき〈御酒〉は)
和賀美岐那良受(わが御酒ならず)
久志能加美(く〈奇〉しのかみ)
登許余邇伊麻須(とこよ〈常世〉にいます)
伊波多多須(いは〈石=岩〉た〈立〉たす)
須久那美迦微能(すくなみかみ〈少名御神=少名彦那神〉の)
加牟菩岐(かむほ〈神寿〉き)
本岐玖琉本斯(ほ〈寿〉きくるほし)
登余本岐(とよほ〈豊寿〉き)
本岐母登本斯(寿きもとほし)
麻都理許斯美岐叙(ま〈舞〉つりこし御酒ぞ)
阿佐受袁勢 佐佐(あさずをせ ささ)
どうもこのお祝い酒は不思議な神(奇しのかみ)、
少名御神=少名彦那神が常世国で長時間かけて醸し出した
それはそれはお目出度く、美味しいお酒とか。
この神はほんと不可思議なお方。
前回登場は昔々の大国主命がご活躍された際。
そんな神々しいお酒だから
「さあ、杯を干さずにたくさん召し上がれ。」
この歌に対し、太子ではなく建內宿祢命がお答えします。
許能美岐袁(この御酒を)
迦美祁牟比登波(か〈醸〉みけむ人は)
曾能都豆美(そのつづみ〈鼓〉)
宇須邇多弖弖(うす〈臼〉にたてて)
宇多比都都(うた〈歌〉ひつつ)
迦美祁禮迦母(醸みけれかも)
麻比都都(ま〈舞〉ひつつ)
迦美祁禮加母(醸みけれかも)
許能美岐能(この御酒の)
美岐能(御酒の)
阿夜邇宇多陀怒斯 佐佐(あやにうただのし ささ)
お酒を頂くことはとっても楽しい事。
「さあさあもっと召し上がれ。」
これらは酒席で歌われる詩 「此者酒楽之歌也」 とか。
お酒は百薬の長、でも、ついついの飲み過ぎにご注意。 続く。
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