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2014年3月 2日 (日)

神懸かり神功皇后のご神託 459

 この帯中日子天皇(=仲哀帝)と息長帯姫命(=神功皇后)登場の
 シーンで 「帝の住まい」 が突如、
 倭(大和)国から長門・筑紫国に変化しているのです。
 「坐穴門之豊浦宮 及 筑紫訶志比宮 治天下也」
 穴門(後の長門)の豊浦、及び、筑紫の訶志比(=香椎)に変貌。
 根拠地と思われる倭(大和)国は一体どうなったのかしら
 まあ、そこの処はひとまずおいておく事にして、
 読み進むと更に変な展開なのです。
 処は筑紫国の香椎宮。
 帯中日子天皇(=仲哀帝)と息長帯姫命(=神功皇后)共々
 こちらに駐屯されておられるのです。
 その理由は
 「将撃熊曽国之時」 と記されていますので
 以前、仲哀帝の父親、倭建命が平定したにも関わらず
 再度の熊曽征伐と。
 素直に斟酌すれば熊曽軍団が倭(大和)軍団に再叛旗と云う事に
 なるのでしょう。
 しかしながら、
 仮にそうであるなら倭建命の西征は中途半端だった事になります。
 一応、その様にして読み進むと更なる不可思議な展開に。
 何と神功皇后は巫女(みこ)として登場。
 「当時帰神(神懸かり)」。
 時は深夜。
 彼女の夫、仲哀帝は熊曽征伐の吉凶を
 神懸かりした妻、神功皇后に占ってもらう段取り。
 このお二人のサポート役は 「建內宿祢大臣」。
 建內宿祢(禰)は8孝元帝のお孫さんとして以前登場されています。
 「稲置・宿禰の姓が出現
 仲哀帝は歴代14代目とされていますので時間軸も不可思議に。
 それにも目を瞑り、占い儀式へ。
 この儀式模様は
 仲哀帝が宮中で琴の演奏、建內宿祢(禰)が前庭で待機状態。
 (「天皇控御琴而 建內宿祢大臣 居於沙庭 請神之命」)
 この環境で神をお告げを請け賜る設定。
 そして、いざ、神功皇后を介してのご神託は
 「西方有国 金銀為本 目之炎耀種種珍宝 多在其国
  吾今帰賜其国」
 西(日が沈む)の方に国がある。
 その国は金銀・目が輝く程の色んな宝物が沢山ある。
 あなたにその国を与えよう。
 との有り難い?お告げ。
 早速、仲哀帝は小高い山に登り西方を見るも大海原しか確認できず
 お告げの神に
 「不見國土 唯有大海 謂為詐神而」
 国なんかありゃしない、海ばっかり、嘘おっしゃい。
 とばかりにお琴を押しのけ弾かずに黙り座る体たらく。
 この不適な振る舞いにお告げの神は怒り心頭で
 「お前は天下(この世)を治める器ではない・・・・・」 と
 この遣り取りを聞いていた建內宿祢(禰)は違和を感じ
 仲哀帝に
 「どうかお琴をお弾き下さい(ご神託をご理解下さい)。」
 と畏れながらお願い申し上げた。
 仲哀帝は彼の嘆願を聞き入れお琴を弾き始めたが
 だんだん音色(ねいろ)が微(かす)かになりやがて無音に。
 不信の思った建內宿祢(禰)が明かりを炊くと
 既に仲哀帝はお亡くなりになっておられたのです。           続く。

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