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2014年2月 2日 (日)

倭建命の彷徨・歌謡・落命 455

 倭建命と美夜受姫はめでたく 「御合(みあい=合体)」。
 男(人)は得てして絶頂(期)を迎えると後は転げ落ちるのみ?
 倭建命はそれはそれは楽しい日々を過ごされたのでしょう。
 そこで彼は体の鈍(なま)りに気づいたのか?
 「伊服岐能山(伊吹山)」 神の平定に向かいます。
 ところが悦楽の日々を過ごしすぎたのか、過信からか、
 武器(「草那芸剱」)を美夜受姫の家にオキッパで出かける始末。
 引き返して草那芸剱を得ようとせず
 この山の神は素手で十分と(「徒手直取」)慢心し歩を進めます。
 すると伊吹山神(「白猪」)に出会います。
 この猪は牛程の大きさ(「其大如牛」)だったとか。
 倭建命はこの白猪に向かい
 「お前は伊吹山神の使いだろうが帰りにこらしめてやる」
 と云い放し山に登る挙に。
 登坂の途中、たぶん今年感じの寒い冬だったのでしょう
 大粒な「氷雨」(=雹〈ひょう〉・霰〈あられ〉)が倭建命を襲います。
 この異常気象現象は白猪のなせる業。
 倭建命はこの白猪を伊吹山神の使いを考えた事は大誤算。
 白猪は伊吹山神、そのもの、化身だったのです。
 さすがの倭建命もこの氷雨には大弱り。
 彼の体力は消耗する一方へ。
 これ以後は命を削る彷徨。 あちらこちらをさまよい(彷徨)ます。
 玉倉部 ⇒ 当芸野 ⇒ 杖衝坂 ⇒ 尾津 
 この地で一歌、

袁波理邇 (をはり〈尾張〉に)
多陀邇牟迦幣流 (ただにむかへる)
袁都能佐岐那流 (をつ〈尾津〉のさき〈崎〉なる)
比登都麻都 (ひと〈一〉つまつ〈松〉)
阿勢袁 (あせ〈兄〉を)
比登都麻都 (ひと〈一〉つまつ〈松〉)
比登邇阿理勢婆 (ひと〈人〉にありせば)
多知波氣麻斯袁 (たち〈太刀〉はけましを)
岐奴岐勢麻斯袁 (きぬ〈衣〉き〈着〉せましを)
比登都麻都 (ひと〈一〉つまつ〈松〉)
阿勢袁 (あせ〈兄〉を)

 ⇒ 三重村 ⇒ 能煩野(のぼの)
 ここで一歌、
 
夜麻登波 (やまと〈倭〉は)
久爾能麻本呂婆 (くに〈国〉のまほろば)
多多那豆久 (たたなづく)
阿袁加岐 (あをかき〈青垣〉)
夜麻碁母禮流 (やま〈山〉ごも〈隠〉れる)
夜麻登志 (やまと〈倭〉し)
宇流波斯 (うるは〈麗・美・愛〉し)

 更にもう一歌、

伊能知能 (いのち〈命〉の)
麻多祁牟比登波 (またけむひと〈人〉は)
多多美許母 (たたみこも)
幣具理能夜麻能 (へぐり〈平群〉のやま〈山〉の)
久麻加志賀波袁 (くまかし〈熊白檮〉がは〈葉〉を)
宇受爾佐勢 (うず〈髻華〉にさ〈挿〉せ)
曾能古 (そのこ〈子〉)

 更に更にもう一歌、

波斯祁夜斯 (はしけやし)
和岐幣能迦多用 (わぎへ〈我家〉のかた〈方〉よ)
久毛韋多知久母 (くもい〈雲居〉た〈立〉ちくも)

 そして彼の最後の歌、

袁登賣能 (をとめ〈=美夜受姫〉の)
登許能辨爾 (とこ〈床〉のべに)
和賀淤岐斯 (わがお〈置〉きし)
都流岐能多知 (つるぎ〈剱〉のたち〈太刀〉)
曾能多知波夜 (そのたち〈太刀〉はや)

 とお歌いになり倭建命はあの世に旅立たれた(落命)との事。 続く。

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