沙本姫命・彦命 稲城内で他界 433
垂仁帝は沙本彦命を攻めあぐねていると月日が流れ
沙本姫命は稲城内で男のお子さんをこの世に送り出すのです。
彼女はその子を稲城の外に連れ出し垂仁帝軍に声明を。
「この子は垂仁帝のご子息です。
もし、垂仁帝がご承知下されば是非ともお育て下さいませ。」 と。
このメッセージは即、垂仁帝に報告されます。
垂仁帝は沙本彦命を怨んでいるだけですので、
愛しい沙本姫命と我が子を彼の元から何とか奪還する企図を。
垂仁帝軍中の 「力士(敏捷で豪腕の者)」 をチョイスし彼らに
何が何でも
1 髪の毛ごと引っ張る
2 柔らかい手先から二の腕を掴む
3 「衣」 を掴んでこちら側に引き込め
と具体的にご指示をされた。
しかしながら、沙本姫命は3年も連れ寄った故に 「彼の心根」 を
いとも簡単に見抜き・読み解きます。
彼女は1~3に対し
A 女の命である長い髪の毛をカット、その髪を頭に緩めに乗せ
B 玉アクセサリーをわざと腐らせ腕に丁寧にも三重巻にし
C 纏う 「衣服」 はお酒に浸してぶよぶよ・ぼろぼろにして
ご自分の奪還失敗作戦に及びます。
彼女は稲城の外の我が子共々お出まし、垂仁帝軍の力士達を
待ち受けする次第。
それを知らない力士達はお子さんを確保できますが
彼女の作戦が功を奏し沙本姫命を獲得する事能わずって状況。
只、何が何でも彼女をゲットしたいのなら方法論はあった筈。
力士達は瞬発力と力強さも持ち得ていても
「賢さ」 はなかった感じ。
彼女はお子様を彼らに差し出し躊躇せず
兄の沙本彦命の元に取って返したのでしょう?
ここには彼女の 「意志の強さ」 が伺えます。
垂仁帝は情けない事にこの一回だけのトライで愛しい彼女を
諦めます。
二回目、三回目のプッシュ、アタックとしなかったのです。
これでは 「女心」 は変容する訳がございません。
「恋のゲーム」 は完全に垂仁帝の敗北。
諦めの早い彼はあろう事か
1 お二人のお子さんの命名
2 お子さんの育児法
3 次の彼女の用立て
を沙本姫命に相談・依頼する始末。
未練たらたらの垂仁帝、現代でも1、2は許せますが?
3は 「勝手にしなさい」 でしょう?
それでも奥床しい沙本姫命は彼の要請に応え
A 「本牟智和気(ほむらわけ)」
B 「大湯坐・若湯坐」 と云われた「乳母(めのと)」制度の提唱
C 「旦波(丹波)」 に住まう兄姫(えひめ)・弟姫(おとひめ)紹介。
そして、垂仁帝はあっさり彼女の提案に従うのです。
やがて、より優しい兄、沙本彦命と運命を共にするのです。 続く。
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