垂仁帝と沙本姫命・沙本彦命 431
垂仁帝(伊久米伊理彦伊佐知命)は10 崇神帝の四男。
彼の最初の奥様が佐波遅姫命(=沙本姫命)(沙本彦命之妹)。
彼女は崇神帝の弟、日子坐王のお嬢さん。
彼女には沙本彦命と云うお兄さんが存在。
この垂仁帝⇔沙本姫命・沙本彦命に纏わるお話しです。
垂仁帝と沙本姫命・沙本彦命は従姉妹・従兄弟(いとこ)関係。
沙本姫命・沙本彦命は妹と兄の関係。
垂仁帝と沙本姫命は夫婦(をとめ)=女夫(めをと)関係。
このお二人は 「いとこ婚」。
「いとこ婚」 は日本では法律上全く問題がありません。
絆が存在した共同体ではごく自然な婚姻。
幼なじみ同士が 「連れ合い」 関係へ進展する事もごく・ごく自然。
それでは上記を踏まえて切ない物語へ。
沙本彦命はご自分も 「帝位」 につく事を望んだのでしょう?
彼は妹、沙本姫命に
「お前は俺と垂仁帝とではどちらが好きっ?」 とモーションを。
この聞き方からさっするに
沙本彦命はご自分に対し、妹が十二分に好意を持っている事実を
知り得て・感じていたのです。
まあ、彼は卑怯(女心を弄ぶ輩)と云われても仕方がないでしょう。
沙本姫命は案の定、
「それはっ、お兄さんの方がスキ!」 とのお返事。
イケメン度は垂仁帝より沙本彦命が勝っていたのかも?
沙本彦命の思い通りの展開ににすかさず彼女に
「お前と二人で天下を治めよう。
そこで『八鹽折之紐小刀(鋭利に研いだ紐付き小刀)』を授ける
から垂仁帝の寝首を襲ってくれ。」 と諭す始末。
そんな状況を露知らない垂仁帝はいつも様に沙本姫命の
柔らかい膝(「もも」でしょう)を枕にすやすや夢見の桃源郷。
この時代?にも 「膝枕お眠む」 があったとは驚き桃の木。
沙本姫命は兄の指示通り垂仁帝を殺める行為に及びますが
夫の垂仁帝に 「哀情(あわれみごころ)」 が湧き躊躇、
思わず大粒の涙を落としてしまいます。
夢心地の垂仁帝は違和を覚え現(うつつ)の世界に。
沙本姫命を心から慕う垂仁帝は夢世界の出来事を彼女にご報告。
「沙本(佐保=さほ)の方角から急にゲリラ豪雨が発生、
そのお陰で私は 『面(顔)』」 を濡らしてしまったのよ。
又、綺麗な錦色の小さな蛇が頸(首)に纏わりついたのさ。」 と。
「なあ、お前これは一体何を物語っているのかしらん?」
その夢見話を聞いた沙本姫命は素直にも
この間の経緯を具(つぶさ)に垂仁帝に打ち明けたのです。
すると垂仁帝は
「とても危ない処だった。
早速、お前の兄、沙本彦命のお命を頂戴しよう。」 と
沙本彦命に軍を差し向けたのです。
(沙本姫命がご自分をより好きって云ってくれなかった嫉妬???)
一方、沙本彦命はこれを察知し 「稲城」 を作り待ち受け作戦に。
当事者の沙本姫命は兄を心配し、軍より先に兄の元へ急行。
只、彼女は身重だったのです。
垂仁帝は彼女が兄に身を寄せた事実を知り、
3年の間(あいだ)枕を共にした思いが過(よ)ぎり、
沙本彦命軍を早急に殲滅できなくなってしまったのです。 続く。
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