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2013年7月 7日 (日)

沙本姫命 愛情表現の行方 430

 次に展開する物語は特異です。
 ある一人の女性の夫と兄弟(家)への愛情表現の行方。
 先ずはそこの古事記原文です。
 
此天皇
以沙本毘賣爲后之時
沙本毘賣命之兄
沙本毘古王問其伊呂妹曰
孰愛夫與兄歟
答曰愛兄
爾沙本毘古王謀曰
汝寔思愛我者
將吾與汝治天下而
即作八鹽折之紐小刀
授其妹曰
以此小刀
刺殺天皇之寢
故天皇不知其之謀而
枕其后之御膝
爲御寢坐也
爾其后以紐小刀
爲刺其天皇之御頸
三度擧而
不忍哀情不能刺頸而
泣涙
落溢於御面乃天皇驚起
問其后曰
吾見異夢
從沙本方
暴雨零來
急洽吾面
又錦色小蛇纒繞我頸
如此之夢
是有何表也
爾其后
以爲不應爭
即白天皇言
妾兄沙本毘古王
問妾曰
孰愛夫與兄
是不勝面問故
妾答曰愛兄歟
爾誂妾曰
吾與汝共治天下
故當殺天皇云而
作八鹽折之紐小刀
授妾
是以欲刺御頸
雖三度擧
哀情忽起不得刺頸而
泣涙落
洽於御面
必有是表焉
爾天皇
詔之吾殆見欺乎
乃興軍擊
沙本毘古王之時
其王作稲城以
待戰
此時沙本毘賣命
不得忍其兄
自後門逃出而
納其之稲城此時
其后妊身
於是天皇
不忍其后懷妊及愛重至于三年
故廻其軍
不急攻迫

 読み解きは来週に。                                          続く。

 web上では
 国立国会図書館 電子図書館蔵書古事記中下巻P31の11行目で
 確認可能ですので是非ご覧下さい。

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