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2013年5月26日 (日)

若き乙女=腰裳少女の伝言 424

 崇神帝の諸国制圧の様子を
 きっと以て端折って描かれているのでしょう?
 読んでみましょう。
 崇神帝の命により、
 大彦命は北陸地方(「高志道」)へ、又、彼の息子の
 建沼河別命は大和より東の12諸国(「東方十二道」)へ出陣
 「麻都漏波奴(まつろはぬ=崇神帝に叛旗を翻す)人等(輩)」 を
 粉砕・服従させた。
 彦坐王(ひこいますのみこ)を丹波国(「旦波國」)へ遣わし
 その国のリーダー、玖賀耳之御笠(くがみみのみかさ)を殺害。
 取って返して
 大彦命の北陸制圧の詳細が語らている筈と思いきや。
 古事記の展開通りに進めると
 大彦命は大和国から出発、「山代(山城国)之幣羅坂」 で
 (幣羅坂・・・京都府木津川市市坂幣羅坂に当たるのか?)
 腰裳を纏ったうら若き女性(「少女」)に出会(くわ)すのです。
 (腰裳の件は後程。)
 更に、何と彼女は和歌を朗詠しているのです。
 その和歌の内容は

古波夜 (こはや)
美麻紀伊理毘古波夜 (みまきいりひこはや)
美麻紀伊理毘古波夜 (みまきいりひこはや)
意能賀袁袁 (おのがを〈命〉を)
奴須美斯勢牟登 (ぬすみしせむと)
斯理都斗用 (しりつとよ)
伊由岐多賀比 (いゆきたがひ)
麻幣都斗用 (まへつとよ)
伊由岐多賀比 (いゆきたがひ)
宇迦迦波久 (うかかはく)
斯良爾登 (しらにと)
美麻紀伊理毘古波夜 (みまきいりひこはや)

 美麻紀伊理毘古=御真木入彦(日子)=崇神帝。
 「崇神帝さん貴男の命を盗もうとしている方がいらっしゃいますよ」
 とのこれはメッセージソングなのです。
 大彦命は彼女の前をすげなく通り過ぎるも歌を怪訝に思い
 (馬を)取って返し、彼女に聞き及びます。
 「貴女は一体何て云っているの」 と。
 うら若き乙女(「少女」)はその問いに答えます。
 「わたくしは何も知りません。
  唯、耳にした歌を口ずさんでいるだけですよ」 と。
 そうこうする内に彼女は何処かに姿を隠してしまったのです。
 大彦命はなお一層不可思議に思い、大和へ急ぎ還りこの一件を
 崇神帝に参上・ご報告。
 すると崇神帝は心当たりがあったらしく
 「山城国にいるわたくしの庶兄、建波邇安王(たけはにやすのみこ)
  が邪心を起こしたかも。
  伯父さん(大彦命)、ここは一つ彼を討伐(「興軍」)願います」
 とおっしゃり、早速、丸邇臣(わにのおみ)之祖である
 日子国夫玖命(ひこくにぶくのみこと)を副え遣わせ同行軍させた。
 その際、
 軍団は丸邇坂で 「忌瓮=斎瓮(いわいべ・いんべ)」 儀式を。
 瓮(へ)は祭祀に用いるお酒を入れた容器(瓶)ですので
 戦勝祈願を祈る行為と思われますが、
 軍団の皆さんにこの神酒を振る舞いこれからの戦闘恐怖心を
 和らげ・紛らわす事が目的だったのではないかと?
 ほろ酔いは理性を失わせる効能が・・・・・。
 崇神帝の予想が的中、案の定、
 建波邇安王軍は
 山城国の 「和訶羅河(わからがわ)」 で待ち伏せ。
 河を挟んで両軍対置する事に。
 ここでこの地区名の謂(い)われになり、
 両軍挑み(いどみ)あった事から 「伊杼美」 と。
 古事記執筆時代では 「伊豆美(いずみ)」 との事。
 この後、両軍勢い正面激突と思いきや、さにあらず、
 日子国夫玖命はこの時代の戦闘文化?であったのか
 戦闘突入前の儀式、「忌矢(いわいや)」 の交換を提案。
 先ずは建波邇安王が大彦命・日子国夫玖命軍に矢を射かけ
 お次は日子国夫玖命が建波邇安王軍に射かける事に。
 その結果は建波邇安王が不幸にも不的中、
 日子国夫玖命の矢は運良く建波邇安王に心の臓に大的中。
 建波邇安王は敢え無く一命を落とします。
 建波邇安王軍団はリーダーを失い散り散りに逃避状況。
 あっけなく勝敗が決してしまうのです。                      続く。

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2013年5月19日 (日)

初御真木天皇 崇神帝 423

 意富多多泥古命の血脈説明に終わりを告げ、
 崇神帝の業績説明へて展開、そこの古事記原文です。

又此之御世
大毘古命者
遣高志道
其子建沼河別命者
遣東方十二道而
令和平其麻都漏波奴(自麻下五字以音)
人等
又日子坐王者
遣旦波國
令殺玖賀耳之御笠(此人名者也 玖賀二字以音)
故大毘古命
罷往於高志國之時
服腰裳少女
立山代之幣羅坂而
歌曰
古波夜
美麻紀
伊理毘古波夜
美麻紀
伊理毘古波夜
意能賀袁袁
奴須美斯勢牟登
斯理都斗用
伊由岐多賀比
麻幣都斗用
伊由岐多賀比
宇迦迦波久
斯良爾登
美麻紀
伊理毘古波夜
於是大毘古命思怪
返馬
問其少女曰
汝所謂之言
何言
爾少女
答曰吾勿言
唯爲詠歌耳
即不見其所如而
忽失
故大毘古命
更還參上
請於天皇時
天皇答詔之
此者爲
在山代國
我之庶兄建波邇安王
起邪心之表耳(波邇二字以音)
伯父
興軍宜行
即副丸邇臣之祖
日子國夫玖命而遣時
即於丸邇坂居忌瓮而
罷往
於是到山代之和訶羅河時
其建波邇安王
興軍待遮
各中挾河而
對立相挑
故號其地謂伊杼美
今謂伊豆美也
爾日子國夫玖命
乞云其廂人先忌矢可彈
爾其建波爾安王雖射
不得中
於是國夫玖命彈矢者
即射建波爾安王而死
故其軍悉破而
逃散
爾追迫其逃軍
到久須婆之度時
皆被迫窘而、
屎出懸於褌
故號其地
謂屎褌
今者謂久須婆
又遮其逃軍以斬者
如鵜浮於河
故號其河謂鵜河也
亦斬波布理其軍士故
號其地謂波布理曾能(自波下五字以音)
如此平訖
參上覆奏
故大毘古命者
隨先命而
罷行高志國
爾自東方所遣建沼河別與其父大毘古共
往遇于相津
故其地謂相津也
是以各和平所遣之國政而
覆奏
爾天下太平
人民富榮
於是初令貢男弓端之調
女手末之調
故稱其御世
謂所知初國之御眞木天皇也
又是之御世
作依網池
亦作輕之酒折池也
天皇御歳壹佰陸拾捌歳
御陵在山邊道勾之岡上也

 読み解きは来週に。                                         続く。

 web上では
 国立国会図書館 電子図書館蔵書古事記中下巻P26の14行目で
 確認可能ですので是非ご覧下さい。

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2013年5月12日 (日)

麻糸は鉤(鍵)穴を通り三輪山へ 422

 健やかなお二人同士が毎夜ベッドを共にし、
 愛を育めば自(おの)ずと新しい命の誕生は必定。
 活玉依姫のお腹は成長する命で膨らみ始めます。
 当然、彼女の両親はお嬢さんの異変に気づきます。
 両親は喜びも束の間、「お相手は?」 との問い質(ただ)し。
 只、古事記のこの後の展開が凄くラフなのです。
 幾ら行間を読んでって云われてもかなり読み進めないと
 合点が行かないのです。

自然懐妊
是以其父母
欲知其人
誨其女曰
以赤土散床前

 この表現ですよ。
 「誨(カイ・おし・える)」 は教え諭す。
 <その人を知りたくって、彼女 (活玉依姫) に教え諭した。
  赤土を以てして寝室の床に・・・・・>
 ところが、めげずに前に進むとファッション関連語句が登場します。
 両親の教えは
 赤土を以てして寝室の床に撒き散らす事と
 紡いだ麻(糸)を針に通し、その針をお相手の 「衣襴」 に刺す事。
 「襴(ラン)」 は縫腋の裾部分。
 こちらの部位は 「束帯と衣冠 (通称 衣冠束帯)」 でご確認を。
 いつもの様に彼は夜に訪れ愛を交わし朝方何処かにお帰り。
 しかし、今日の活玉依姫は両親の教え通り
 彼のロングジャケットの裾にそーっと抜け落ちない様に
 返し針で麻糸を縫いつけておいたのです。
 やがて、「旦時(朝)」 目覚めるといつもの様に彼は不在。
 只、昨夜、彼に内緒で縫った麻糸三勾(糸巻)が目の前に。
 更にその麻糸は不可思議にも
 部屋 (玄関かも) の 「鉤(鍵)穴」 を通っていたのです。
 そこでこの麻糸に従い辿っていくと 「美和山」 に至った云う顛末。
 なんとまあ、ファンタジーで奇想天外なストーリーな事。
 此処まで来て、やっと活玉依姫自身、
 彼の素性を全く知らなかった事が判明します。
 (とは云っても、とても不自然ですが・・・・・。)
 幾ら 「愛に言葉は要らない」 って云っても一夜限りの契りではない
 のですからいやはや何とも。
 ここは活玉依姫が大胆不敵過ぎるって事にしておきましょう。
 その次の記述もいただけません。
 突如、状況証拠からか、
 故に(意富多多泥古命は)美和山=大物主神の子孫
 であると結論。
 とても証明不十分な感が否めません。
 更に輪をかけ、追い打ちをかけるように
 とっても爺むさいこじつけ気味の 「シャレ」 のご披露に。
 この地の命名の謂われは
 ベッドルームに残された
 麻糸の <三勾(三巻)=みわ(三輪・美和)> からとか。
 とても苦し過ぎません?
 そして注釈で
 意富多多泥古命は 「神君(三輪君)」 と 「鴨君」 の祖と。
                                                                                  続く。

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2013年5月 5日 (日)

相感・共婚でこどもの日 421

 富多多泥古が大物主大神の末裔である由縁の説明。
 但し、活玉依姫と大物主大神との 「愛の調べ」 は語ってますが
 富多多泥古の父母まで言及されておらずあくまでも推量止まり。
 単に、ファンタジーラヴストーリーを挿入したかったのか?
 まあ、野暮はよして素敵な美女美男の愛の物語を。
 イケメン・ナイスガイで遊び上手な大物主大神は
 何処かで容姿端麗な活玉依姫の噂を聞きつけ、即アクション。
 決して、美女を放っておく彼ではありません。
 この時代は妻問婚。
 大物主大神は皆さんが寝静まる夜中迄待ちに待ち、(「夜半之時」)
 彼女の家へダイレクトアタックの快挙?に。
 穿って考えれば、夜半まで事に及ばなかったのは
 それはそれは美しいと云われていた活玉依姫に臆したのやも。
 既に床につき気持ち良く眠りについていた筈の活玉依姫。
 真っ暗闇の中で突然のご訪問。
 彼女はどの時点で目を覚ましたのでしょうか?
 たぶん臆し気味の大物主大神ですので
 「そーっと」 褥(しとね)に侵入したのでしょう。
 ちょいと姑息ですが、そこはラヴプレイに長けた大物主大神。
 決して急がず、ソフトに丁寧にデリケートゾーンを・・・・・。
 そこわかとなく甘美な香りに思わず目覚めた活玉依姫は
 朧気 (おぼろげ) に事態を把握します。
 しかしながら、
 時既に遅く、拒む気力を躰が許してくれないファンタジー世界。
 大物主大神に躰を預けざるを得ない活玉依姫。
 目眩(めくるめ)く押し寄せる、とろけそうな刺激の連チャン。
 後はお二人にお任せ・・・・・。
 「相感 共婚共住之間」
 余程お二人は波長があったのかこれ以後毎夜、婚(くな)ぐ事に。
 やがて、活玉依姫は 「愛の結晶」 を孕む事に相成るのです。
 今日は 「こども(「愛の結晶」)の日」 に因んだお話しに。 続く。

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