兄宇迦斯と弟宇迦斯の振る舞い 390
吉野山を後にし、
神倭伊波礼彦(神武帝)一行は
山を踏み越え・地を穿(うが)ち進軍。
やがて、宇陀へ到着。
それ故、この地を 「宇陀之穿」 と
吉野山から宇陀ですからかなり北上した事に。
宇陀の地は女人不禁制の室生寺、
この寺は別名の女人高野でとてもメジャー。
(2009JR東海CM 室生寺)
この地に兄宇迦斯(えうかし)と弟宇迦斯(おとうかし)が。
ここ迄一行を順調に導いてきた黒装束の忍び者(八咫烏)、
この二人の情報を持ち合わせといなかったのか
神倭伊波礼彦(神武帝)は彼らの意向を確かめるべく
忍び者に状況確認の為、先行させる事に。
命に従い忍び者が交渉に入るや否や
兄宇迦斯がいきなり鳴鏑(鏑矢)を忍び者に射かけ追い返す挙に。
鳴鏑が落ちた所が
「訶夫羅前(かぶらさき)」 と説明されてますので
兄宇迦斯は忍び者を殺害する意思はなく単なるブラフって事。
神倭伊波礼彦(神武帝)軍団に屈服しない
意思表示をした兄宇迦斯は防衛隊を徴集しますが
この部(氏)族はどうも戦闘行為がお好きで無い感じ、
又、兄宇迦斯のリーダー力量も欠けていたのか
思う様に軍団を組織出来なかったのです。
そこで、兄宇迦斯の次なる戦術は 「騙し討ち作戦」 に。
彼にとって敵は目前に迫っていますので
急拵(こしら)えの絡繰(からくり)舘作りに着手。
兄宇迦斯部(氏)族は
生活上これらの道具作りには長けていたのか短時間で完成。
この絡繰舘は踏み込むと
敷き板が跳ね上がり、挟まり、身動き不能(押機)になる仕掛け。
そこで、
兄宇迦斯は神倭伊波礼彦(神武帝)軍団に恭順の振りをし
この絡繰舘の神倭伊波礼彦(神武帝)を招き入れる算段を。
ところが、あにはからんや、彼の弟である、弟宇迦斯が
なぜか兄弟の絆を断ち切り
この作戦を一行に漏らしてしまうのです。
きっと以て、
神武帝一行の諜報部員の 「甘い罠」 に乗せられたのでしょう?
はたまた、
弟宇迦斯が兄の兄宇迦斯を追い落としたい野望が・・・?
そんな事は露とも知らない兄宇迦斯。
絡繰情報を知り得た神倭伊波礼彦(神武帝)軍団は
道臣命 (大伴連らの祖先)
大久米命(久米直らの祖先) の二人の戦闘隊長を
兄宇迦斯に送り込みます。
この後の展開は予想通り兄宇迦斯は自ら作った絡繰舘で圧死し
道臣命と大久米命に躰(からだ)を 「斬散」 されてしまいます。
それ故、この地を 「宇陀之血原」 と云うそうな。 続く。
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