和邇魚は海人の暗(隠)喩では 370
火遠理命=山幸彦の帰郷にあたり
綿津見神(海神)は 「和邇魚」 を悉く呼び寄せます。
綿津見神(海神)の命に従う 「和邇魚」 ですから
彼ら・彼女らは当然、海人 (海を生活の糧にしていた人々) に。
和邇の読みは 「わに」。
「わに」 を鰐鮫(わにざめ)・鱶(ふか)としてしまうのはいけません。
お魚さんの背に乗っての海上移動はファンタジー世界か水族館。
古代豪族で 「和邇(爾・珥)氏」 が存在。
この氏族のお嬢さん達が
「大王(おおきみ)家」 に数多嫁いだと云われています。
お堅い言葉では 「姻戚関係」 を結んだとされています。
豊玉姫命はいっと最初のお方になるのかしらん?
それは置いといて、
あの万葉歌人、柿本人麻呂もこの氏族の末裔との事。
小学生・中学生の教科書でもお取り上げの歌(昨今は?)、
東 野炎 立所見而
反見為者 月西渡
ひむがしの 野にかげろひの 立つ見えて
かへり見すれば 月かたぶきぬ
と詠まれているそれはそれはメジャーな一句。
情景から察して人麻呂の 「きぬぎぬ(衣々・後朝)」 の歌
かと思いしやそうではない解釈をされています。
そちらに興味をお持ちの方は 「ココロ・ニ・マド・ヲ 万葉集」 で。
古事記に戻って、
海人(漁師)さんですから当然海に出る舟をお持ちの筈。
舟のエンジンは人力、及び、自然(風と潮流)と思われますので
櫓を操る事に長けた方が火遠理命=山幸彦を送り返す役に。
無事に送り届けた漁師さんは火遠理命=山幸彦から
「紐小刀」 の贈り物を。
その漁師さんは 「佐比持神(さひもちのかみ)」 に。
昔は紐付き小刀を 「さひ」 と表現していた感じ。
この後、火遠理命=山幸彦は津見神(海神)の指示通りに
事を運び、
やがて、
火照命=海幸彦は窮地に陥り火遠理命=山幸彦に降参。
敢え無く、
火照命=海幸彦は火遠理命=山幸彦の配下になる羽目に。
ここの所は良く理解できません。
事の発端は火遠理命=山幸彦が
火照命=海幸彦の釣り針 (生活の為の道具) を無くした事の筈。
にも関わらず、咎められたのは火照命=海幸彦。
これには合点が行きません。
又、火遠理命=山幸彦の非道な行為を親御さんの
木花之佐久夜姫と邇邇藝命も何故諫めなかったのでしょうか?
これって相手の立場を全く無視しご自分の利益のみを追求する
肉食系の山幸彦が世界を征すって事なのかしらん?
更に、海人(漁師)の長 (おさ)、綿津見神(海神)が
魚食系の海幸彦を陥れる事になぜ荷担したのでしょうか?
綿津見神(海神)はやがて肉食系軍団に駆逐される事を俯瞰し
お嬢さんの豊玉姫命を輿入れする事で海民軍団の血脈継続を
図ったのやも知れません。
真相は深ーい海の中・・・・・。 続く。
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