肉食系の火遠理命=山幸彦の合理主義 363
お魚を食す事を一時控えていた魚食系・火照命=海幸彦、
お魚大好きな彼はそろそろお腹が欲しがる時を迎えます。
そこで、彼は肉食系・火遠理命=山幸彦に
互い得意とする 「さち=道具」 の交換を申し出ます。
すると、何と云う事か
火遠理命=山幸彦が大事な 「釣り針」 を無くした事実を
彼の口から聞く事になるのです。
魚食系・火照命が長年使い込み肌合いのあう道具である釣り針を
失ったとの事に彼は気が動転。
更に、火遠理命=山幸彦は火照命=海幸彦に
「ご免なさい。」 を全く入れていません。
火遠理命=山幸彦はかなり空気が読めない傍若無人はお方かも?
火照命=海幸彦は
強行に火遠理命=山幸彦に返還を求めます。
火遠理命=山幸彦の不注意から生じた 「釣り針」 紛失事故。
故に彼はご自分の剣(つるぎ)を砕き500~1,000もの釣り針を
こさえて火照命=海幸彦に許しを請いますが
火照命=海幸彦は決して首を縦に振りません。
彼の魚を釣る 「釣り針」 は彼にとっては体の一部になっている筈。
道具を体の一部にして、道具も使う人の癖が加わって始めて
匠(たくみ)のお仕事ができるのです。
これが当にアーキテクト (職人さん) 。
それを何の侘びも無しに、火遠理命=山幸彦は
単なる 「釣り針の形をした道具」 を幾ら作っても詮無き事に。
火遠理命=山幸彦の立場としたら 「心を込めて」
火照命=海幸彦に謝罪する以外方法論が無いのです。
この心の機微を理解できない輩は如何ともしがたいです。
或いは、次の様にも考える事ができます。
火遠理命を代表する、肉食系の方々は
「道具はとっかえ・ひっかえることが可能な単なるツール」
と云う発想なのかも知れません。
上の 「道具」 を異なる名詞に置き換えられる発想がきっと以て、
「近現代、合理主義発想」 と云う代物(しろもの)なのでしょう。
グッズの使い捨て
構築物のスクラップアンドビルド
自然破壊
等々を自然にできなくてはこの世でチャンピョンになれない構造。
この発想ができた火遠理命=山幸彦は
現代に通じる発想の持ち主だったやも知れません。
古事記原作者もこの事を見込み
火遠理命=山幸彦を 「善なるアクター」 として振る舞わせます。
ところで、「香木」 を 「(訓香木云加都良)」 と読めとの指示に。
「こうぼく」 ではなく 「かつら」。
桂男(かつらお)はイケメン(美男子)。
桂の葉の形はハート♥。
と云う事は、
火遠理命=山幸彦って、よき香りがしない優男(やさおとこ)に。
続く。
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