須勢理姫命の名口説き 316
爾其后取大御酒坏
立依指擧而歌曰
須勢理姫命さんは大国主神(命)の云い訳を聞き終わると
おもむろに、楚々と大きな杯をとり、彼の側に赴き、お返し。
夜知富許能 | (やちほこの) | 八千矛の |
加微能美許登夜 | (かみのみことや) | 神の命や |
阿賀淤富久迩 | (あがおおくに) | あが大国主 |
奴斯許曾波 | (なしこそは) | 汝こそは |
遠迩伊麻世婆 | (おにいませば) | 男にませば |
宇知微流 | (うちみる) | うち廻る |
斯麻能佐岐邪岐 | (しまのさきざき) | 島の崎々 |
加岐微流 | (かきみる) | かき廻る |
伊蘇能佐岐淤知受 | (いそのさきおちず) | 磯の崎おちず |
和加久佐能 | (わかくさの) | 若草の |
都麻母多勢良米 | (つまもたせらめ) | 妻持たせらめ |
阿波母與 | (あはもよ) | 吾はもよ |
賣迩斯阿禮婆 | (めにしあれば) | 女にしあれば |
那遠岐弖 | (なをきて) | 汝をきて |
遠波那志 | (おはなし) | 男はなし |
那遠岐弖 | (なおきて) | 汝をきて |
都麻波那斯 | (つまはなし) | 夫はなし |
阿夜加岐能 | (あやかきの) | 綾垣の |
布波夜賀斯多爾 | (ふはやがしたに) | ふはやが下に |
牟斯夫須麻 | (むしぶすま) | むしぶすま |
爾古夜賀斯多爾 | (にこやがしたに) | にこやが下に |
多久夫須麻 | (たくぶすま) | たくぶすま |
佐夜具賀斯多爾 | (さやぐがしたに) | さやぐが下に |
阿和由岐能 | (あわゆきの) | 淡雪の |
和加夜流牟泥遠 | (わかやるむねを) | 若やる胸を |
多久豆怒能 | (たくづのの) | たくづのの |
斯路岐多陀牟岐 | (しろきただむき) | 白きただむき |
曾陀多岐 | (そだたき) | そだたき |
多多岐麻那賀理 | (たたきまながり) | たたきまながり |
麻多麻傳 | (またまて) | ま玉手 |
多麻傳佐斯麻岐 | (たまてさしまき) | 玉手さし枕き |
毛毛那賀迩 | (ももながに) | ももながに |
伊遠斯那世 | (いをしなせ) | 寝をしなせ |
登與美岐 | (とよみき) | 豊御酒 |
多弖麻都良世 | (たてまつらせ) | 奉らせ |
web上では
国立国会図書館 電子図書館蔵書の古事記上巻P42の8行目で
確認可能ですので是非ご覧下さい。
続く。
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