阿多泥は茜の根? 314
大国主神(命)の拙く苦しい云い訳。
大国主神(命)は女性を衣 (衣装) に擬(なぞら)え苦悶の弁明。
先ずは衣装の色を。
ぬばたまの黒き御衣
これは黒い衣装
そにとりの青き御衣 (そにとり=カワセミの古称=翡翠)
これも青い衣装
(試しに 「カワセミ」 画像ググリでご確認を!)
山がたに 蒔きし あたねつき 染めきが汁に 染め衣を
さて、これは何色の衣装に?
山の畠に蒔いた 「あたね」 を突きて作った染め汁に染めた衣
と読むのでしょうか?
であるなら、
一体、「あたね」 は何に?
ここで、「日本の色(伝統色)」 のお力を借りる事に。
ここの古事記表現では
顔料カラーでなく、染料カラーですので絞り込める筈。
飛鳥以前で、染料の原料とされたいた 「草木の根」 は
紫草 (むらさきぐさ) と茜草 (あかねぐさ) の根に。
紫草の根からは 「紫色」 が。
紫色は 「あか」 と 「あお」 の間の色。
既に、「あお」 系の衣装が出現していますので
残るは、「あか」 系の色になり
茜草の根から抽出した染料で染めた 「あか」 い衣装に。
「あか」 を表現した漢字は
絳・・・コウ・あけ(魏志倭人伝・・・弥生晩期)
緋・・・ヒ ・あか(日本書紀・・・・奈良時代初期)
赤・・・セキ・あか(日本霊異記・・・平安時代初期)
服色表現での赤、この表記は平安時代以降ですので
少なくても古事記時代の服色表現としては、絳、或いは、緋に。
一方、
紅・・・コウ・あか、べに、くれない
が存在しますが、こちらは紅花 (末摘花) の花から抽出した色。
従って、こちらは消去可能に。
故に、「あか」 系色と特定できますが、
ここで困る事が、「阿多泥」 は 「あたね(根)」 と読み、
「あけね(根)」 或いは 「あかね(根)」 とは読めません。
さて、如何したらよろしいのか・・・・・?
こちらは、言語学者の方々にお任せするしか・・・・・。
続く。
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