« 才媛、沼河姫(比賣)登場 308 | トップページ | 古事記ラブメール返信 310 »

2011年1月30日 (日)

古事記ラブメール往信 309

 この時代の通信プロトコルは 「歌(詩)のやり取り」。
 今時の、すぐお側に居ても、
 「携帯メール打ち合い」 と さして変わりはありません?
 そして、その 「歌(詩)のやり取り」=「携帯メール打ち合い」。
 先ずは、八千矛神 (大国主神) の往信、

歌曰    
夜知富許能 (やちほこの) 八千矛の
迦微能美許登波 (かみのみことは) 神の命は
夜斯麻久爾 (やしまくに) 八島国
都麻麻岐迦泥弖 (つままきかねて) 妻枕きかねて
登富登富斯 (とほとほし) 遠遠し
故志能久迩迩 (こしのくにに) 越の国に
佐加志賣遠 (さかしめを) 賢し女を
阿理登岐加志弖 (ありときかして) 有りと聞かして
久波志賣遠 (くはしめを) くはし(美しい)女を
阿理登伎許志弖 (ありときこして) 有りと聞かして
佐用婆比迩 (さよばひに) さ婚に
阿理多多斯 (ありたたし) 有り立たし
用婆比迩 (よばいに) 婚に
阿理迦用婆勢 (たりかよわせ) 多り通わせ
多知賀遠母 (たちがをも) 太刀が緒も
伊麻陀登加受弖 (いまだとかずて) 未だ解かずて
淤須比遠母 (おすひをも) おすひ緒も
伊麻陀登加泥婆 (いまだとかねば) 未だ解かねど
遠登賣能 (おとめの) 乙女の
那須夜伊多斗遠 (なすやいたどを) 寝すや板戸を
淤曾夫良比 (おそぶらひ) 押せぶらひ
和何多多勢禮婆 (わがたたせれば) 我が立たせれば
比許豆良比 (ひこづらひ) 引こづらひ
和何多多勢禮婆 (わがたたせれば) 我が立たせれば
阿遠夜麻迩 (あおやまに) 青山に
奴延波那伎 (ぬえはなく) ぬえは鳴く
佐怒都登理 (さのつとり) さ野つ鳥
岐藝斯波登與牟 (きざしはとよむ) きざしは響む
爾波都登理 (にはつとり) 庭つ鳥
迦祁波那久 (かけはなく) かけは鳴く
宇禮多久母 (うれたくも) うれたくも
那久那留登理加 (なくなるとりか) 鳴くなる鳥か
許能登理母 (このとりも) この鳥も
宇知夜米許世泥 (うちとめこせぬ) 打ち止めこせぬ
伊斯多布夜 (いしたふや) いしたふや
阿麻波勢豆加比 (あまはせづかひ) 海女馳使
許登能 (ことの) 事の
加多理其登母 (かたりことも) 語り言も
許遠婆 (こをば) こをば

                              続く。

 web上では
 国立国会図書館 電子図書館蔵書の古事記上巻P39の3行目で
 確認可能ですので是非ご覧下さい。

|

« 才媛、沼河姫(比賣)登場 308 | トップページ | 古事記ラブメール返信 310 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 才媛、沼河姫(比賣)登場 308 | トップページ | 古事記ラブメール返信 310 »