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2010年11月 7日 (日)

二人の愛に降参の須佐之男命 299

 一方、葦原色許男(大国主神)の連れ合い、須世理姫は
 確認もせず夫が野焼きにより亡くなった思いお葬式グッズを
 持ち寄り野原で茫然自失の大泣き(哭)状態。

於是其妻須世理毘賣者
持喪具而
哭來
其父大神者
思已死訖
出立其野
爾持其矢以奉之時
率入家而

 須世理姫が何故いとしい彼の遺体を確認せず
 泣き崩れていたのですから、ややおっちょこちょい気味?
 父親の須佐之男命も当然焼け死んだと思ったことでしょう。
 彼が確認の為、焼け野原に立ったその時、
 突然、葦原色許男(大国主神)は約束通り鏑矢を片手に現れ
 その鏑矢を須佐之男命にお渡ししたのです。
 これには須佐之男命はびっくり仰天、動揺を隠したかったのか
 彼をご自分の住まいに引き連れていったのです。

喚入八田間大室而
令取其頭之虱
故爾見其頭者
呉公多在
於是其妻
以牟久木實與赤土
授其夫故咋破其木實
含赤土
唾出者
其大神
以爲咋破呉公唾出上而
於心思愛而寢

 須佐之男命はゴージャスな自室に葦原色許男を招き入れ
 今度は彼に頭の虱(しらみ)を取ってくれと命じるのです。
 虱が既にこの時代?に存在していたのですね。
 がしかし、須佐之男命の頭には呉公(蜈蚣=むかで)がごまんと
 蠢いていたのです。
 先程焼き殺されようとした葦原色許男は如何に妻の父とは云え
 やや躊躇しているとすかさずほんのさっきまで動転していた
 ややおちょこちょい気で健気で機転が利く須世理姫が登場。
 いとしい彼に椋の実(牟久木實)と赤土を授けます。
 (椋の実は熟すと赤色)
 気心が解り合える迄のお二人ですから、
 夫の葦原色許男も妻の魂胆を即、ビビーンと察します。
 葦原色許男は先ず椋の実を口に含み優しくほぐします。
 よーくほぐした後につぎは赤土をちょいと口に入れ
 赤茶色にした唾を唇に滲 (にじ) ませたのです。
 それをチラミした須佐之男命は
 奴は蜈蚣を食いちぎってくれていると勘違いした振りをして
 心安らかな深い眠りに落ちるのです。
 (須佐之男命の本心はお二人の確かな愛に降参したのです。)
                                                                 続く。
 web上では
 国立国会図書館 電子図書館蔵書の古事記上巻P37の5行目で
 確認可能ですので是非ご覧下さい。

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