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2010年11月14日 (日)

軽率な脱出劇にあらず 300

 健やかに眠る須佐之男命のお姿を見入るお二人は
 ここぞとばかり彼からの脱出作戦を敢行することに。
爾握其大神之髮
其室毎椽結著而
五百引石
取塞其室戸
負其妻須世理毘賣
即取持其大神之生大刀與生弓矢
及其天詔琴而
逃出之時
其天詔琴拂樹而
地動鳴

 葦原色許男は先ず須佐之男命の超ロングヘアーを
 ゴージャスな部屋(室)の垂木(椽)に結わい着けます。
 お次は部屋のドア前にどでかい石を置き封鎖。
 これで須佐之男命を完璧にロックアウト。
 いよいよこの空間から脱出へ。
 奥様の妻須世理を背におんぶ。
 ここでお土産代わりか?
 須佐之男命の大刀と弓矢と琴を持ち出しいざお暇 (いとま) に。
 (これって泥棒さんにならないの?
  武具のみならまだしも音色の良さげな琴までですもの。)
 だから、云わないことはないって感じで
 イザ、逃げ出そうとする際、その琴の弦が樹に振れてしまい
 大地を揺るがす程の琴音を轟かす事に。
 (葦原色許男もさすが似たもの夫婦でおっちょこちょい。)

故其所寢大神
聞驚而
引仆其室
然解結椽髮之間
遠逃

 気持ち良い眠りについていた須佐之男命は
 このけたたましい琴音を聞き驚き目覚め立ち上がると
 その部屋は引き倒(仆)される事に。
 ただ頭の毛先に垂木がまとわりついていたので煩わしく思い
 彼は几帳面にも髪を解 (ほど) く行為に。
 その間に、葦原色許男と須世理姫のお二人は
 遥か遠くに逃げ延びる事ができたとの事。
 (須佐之男命が御髪に気を使うのはとても不自然。
  十中八九、お二人を新たな世界に送り出したのでしょう。)
 要は葦原色許男が須佐之男命のお眼鏡に叶ない、
 ご自分のお嬢さんの連れ合いとしてお認めになったって事。
 須佐之男命が眠りについた以後は出来レースの筈。
 その事は次の展開でも明白になっているのです。
 その事は、又、来週に。   続く。

 web上では
 国立国会図書館 電子図書館蔵書の古事記上巻P37の13行目で
 確認可能ですので是非ご覧下さい。

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