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2010年7月11日 (日)

稲羽(因幡)の氣多前(けたみさき)騒動 282

 稲羽(因幡)のうささんは当初、
 「淤岐嶋 (おきのしま)」 に住んでいたのです。
 しかしながら、このうささんは 「此地(このち)」 に来たかった。
 此地は古事記表記通りとすると、
 稲羽 (因幡) の氣多前 (けたみさき) の地と云う事に。
 このうささん、移動手段を持ち合わせてなかった。
 この時代ですので、当然飛行機なんぞある訳がないですから
 単純に海上移動手段は 「舟」 に。
 その舟をたくさん保有していた方々が 「海和迩 (うみわに)」 さん。
 大概の古事記読みでは
 海和迩 (うみわに) さんは 「海の鮫 (さめ)」 さんに。
 今は、それを踏襲して 「さめ」 さんにしておきます。
 その件 (くだり) が以下です。

菟答言
僕在淤岐嶋
雖欲度此地
無度因故
欺海和迩(此二字以音 下效此)言

 このさめさんは至極
 お人好し か 天真爛漫 か 唯のノー天気 かは
 不明ですが、うささんにチーム員数の 「多さ」 を求められ
 その話に乗ってしまうのです。
 何も、うささんチームの 「多さ」 を確認せずに。
 さめさんチームのリーダーは
 「おーい、みんな集まれー」 ってな勢いで誘うものですから
 さめさんチームは隊列を組んで結集します。
 その隊列は、
 何と淤岐嶋 (おきのしま)~稲羽 (因幡) の氣多前 (けたみさき)
 まで埋め尽くさんばかり。
 その光景を見たうささんは
 ここぞとばかりに、さめさんの背中 (舟) を
 一匹 (一艘)、二匹 (二艘) と数える振りをして
 ぴょんぴょん走って渡る始末。
 その件 (くだり) が以下です。

吾與汝 
竸欲計族之多少
故汝者
隨其族在悉率來
自此嶋至于氣多前
皆列伏度
爾吾蹈其上
走乍讀度
於是知與吾族孰多
如此言者

見欺而
列伏之時
吾蹈其上
讀度來

 うささん、ココ迄は筋書き通りに進んだのですが、
 このうささんも最終的には
 人柄が良いの か 最後の詰めが甘いの か 慌てん坊なの か
 目的地、稲羽 (因幡) の氣多前 (けたみさき) を目の前にして
 有頂天になり、つい、うっかり、
 最後のさめさんに
 「実は、ここに渡りたかっただけー。」 って漏らしてしまいます。
 そこの処が、

今將下地時
吾云汝者我見欺言竟

 どうやら、うさ・さめさんは何か良いコンビって感じが・・・。  続く。

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