稲羽(因幡)の八上姫へ赴く 280
須佐之男命より五世代後の大国(國)主神ですから、
彼のご兄弟もたくさん存在した様です。
ただし、古事記作者、稗田阿礼及び太安万侶は
彼ら彼女らが何処で住まっていたかは明確にされていません。
須佐之男命が出雲の国、須賀の地に住まいを設けた事は
記されてはいますが
末裔の皆さんは、この地に、留まっていたのでしょうか?
この点、些か疑問ですが、
大概の読み下しは 「出雲の国」 で生活していた事にしています。
従いまして、取り急ぎは黙認して進めます。
先ず、然皆國者避於大國主神 所以避者
の 「避」 が よく飲み込めません。
梅原猛さんはここの所を
「みんな、国の支配権は大国主神にお譲りになった。
そのお譲りになった理由というのは」 とされています。
(神々の流竄 梅原猛著作集 8 集英社 P399)
「避」 を 「譲」 と解釈されています。
これは、
「稻羽之素菟」 のお話し、
「大穴牟遲神 (大国主神)」 の災難のお話し、
「須佐之男命と須勢理毘賣」 との出逢いのお話し、
「葦原色許男神 (大国主神)」 の試練のお話し、
「大国主神 ⇒ 宇都志國玉神 (大国主神)」 に至お話し、
の展開を経て 「お譲りになった。」 にされています。
これも取り急ぎ、これに則り前へ進みます。
有(下)欲婚稻羽之之心
八十神が、いなばのやがみひめを妻にしたいお気持ちが有る。
と記されています。
大国(國)主神の従兄弟の皆さんが
「やがみ姫」 を奥様にしたいと言う事ですが
わざわざお隣 (稻羽) の国まで足をのばす訳ですから
彼女は出雲の国にいる女性よりも
格段と 「素敵 (才色兼備) な女性」 であった事になります。
かなり、出雲の国の女性の皆さんに失礼な感じですけど・・・。
ここで、「いなば」の国。
いなばの古事記表記は 「稻羽」。現在伝わっているのは 「因幡」。
どちらかと云うと稻羽=稲葉がよりしっくり感が有るのですが。
於大穴牟遲神負◯
爲從者率往
◯は代の下に巾。 袋(フクロ) 布製のバッグ。
それでは、いよいよ、
大国主神を荷物運び係にして
八十神達 (大国主神の兄弟神々) は
稲羽(因幡)の八上姫の元に赴くのです。 続く。
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