八俣遠呂智(おろち=大蛇)は一体、何? 271
更に、建速須佐之男命は涙の訳を問いただします。
亦問汝哭由者何
答白言
我之女者自本在八稚女
是高志之八俣遠呂智(此三字以音)毎年來喫
今其可來時故泣
何やら、この老夫婦には八人のお嬢さんがいらして
毎年、こしのやまたのおろちが来て、喫=食べちゃうらしく、
既に7人ものお嬢さんが食べられ、
この時節、当に、こしのやまたのおろちが
最後のお嬢さん、櫛名田比賣を求めに来るから
泣いているのですと答えます。
この 「喫」 をどう解釈したらよいのか?
思案のしどころなのですが・・・・・。
取り急ぎ、その事はひとまず置いときます。
そこで、建速須佐之男命は、
では、そのおろちは一体どんなすがたかたちをしているのかと
問いつめます。
爾問其形如何
答白
彼目如赤加賀智而
身一有八頭八尾
亦其身生蘿及桧榲
其長度谿八谷峽八尾而
見其腹者
悉常血爛也(此謂赤加賀知者今酸醤者也)
おろちの目は赤かがち (ホオズキ) 色の様。
その体は八つの突き出た頭=山と八つの尾=山裾が有り。
その体のは蘿=苔生(む)していて、
桧=檜や榲=杉が生い茂っている。
その大きさは谿=渓(谷)が八つ、峽=峰(尾根)が八つに渡る程。
その中腹を見ると、悉くやはり赤ホオズキ色。
何やら妙に変な 「おろち(大蛇)」 なんです。 続く。
web上では
国立国会図書館 電子図書館蔵書の古事記上巻P30の3行目で
確認可能ですので是非ご覧下さい。
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