速須佐之男命の命倶楽部 253
ここでファッションに関するくだり (件) が出現。
天照大御神 坐忌服屋而 令織神御衣之時
天照大御神がお気に入りのデザイナーさんのアトリエでご自分の
服の出来上がり具合を確認しているシーン (場面) です。
ご注文服ですので、フランスではオートクチュール。
このデザイナーさんはテキスタイルデザイナー。
この時代?、ファッションの主要部分は布地でしたので
彼女は当にクチュラーと云うことに。
天衣ときたら言い伝えでは羽衣。
羽衣ときたら天を翔ると云われる衣装。
とってもファンタジーでセクシーな出来事。
幻想を敢えて壊せば折口信夫 (しのぶ) さん風に
天衣は禊ぎの際に着用するもの。
しかしここでは、話の腰を折らないで続けます。
(折口信夫 (1887~1953) 柳田國男を信奉した民俗・国文学者)
ところが、次にはちょいと悩ましげで不可思議な表現が・・・・・。
穿其服屋之頂 逆剥天斑馬剥而 所墮人時
天衣織女見驚而 於梭衝陰上而死(訓陰上云富登)
この訳は梅原猛さんのお力をお借りします。
「須佐之男命は、その機屋の天上に穴をあけて、
そこから皮を剥いだ斑馬 (まだらうま) を落とし入れた。
これを見て、着物を織っていた織女は驚いて、
梭 (ひ) に女陰を突いて死んでしまった。」
(神々の流竄 p392 梅原猛著作集8 集英社)
こんな風に展開されています。
斑馬は縞馬=シマウマ=ゼブラ (zebra) とされています。。
梭=杼は緯糸 (よこいと) 通しの道具。
織物 (布) は経糸 (たていと) と緯糸が織りなすアートです。
杼の姿形 (すがたかたち) は長谷川杼製作所でご確認下さい。
この時代の東南アジアに
縞馬がターフを駆け回っていたと考えることはとても疑問です。
暗喩としたら何かイメージ可能な 「もの」 があった筈。
縞馬としたら縞柄 (ストライプ)、ゼブラとしたらゼブラ柄。
太横ストライプはおいたした方の囚人服が元祖、
ゼブラ柄はキャバクラお嬢さん達の必需品、
どちらも自己主張がきつく何処にいても目立ちます。
ストライプにつきましては、 「お江戸庶民の縞柄の着物」 で。
それでは、いよいよ、
わたくしども ZIPANGU の感性を駆使し読み解いてみます。
十中八九、この天衣織女 (テキスタイルデザイナー) は
すてきなお方だったと思うのです。
そこで、やんちゃでお茶目で幼気な速須佐之男命は
彼女と恋に陥る為、精一杯のパフォーマンスを繰り広げます。
彼は日頃持ち合わせている横しまな心をかなぐり捨て、
屋根ではなく、ドアを蹴破り、その勢いで彼女に迫ります。
「僕は貴女が大好きっ」 って。
概して、男性は才色兼備な女性には、いたく引き気味 (ドン引き)。
故に彼女にとってはこのフレーズはとっても斬新な企画提案に。
心揺らいだ彼女は性急な攻めに思わず陥落。
彼は一直線に彼女と命倶楽部 (めいくらぶ)。
この状況・情況を具 (つぶさ) にご覧になった天照大御神は
さすがにお二人のスイート空間から御身をお引きになるのです。
続く。
web上では
国立国会図書館 電子図書館蔵書の古事記上巻P26の6行目で
確認可能ですので是非ご覧下さい。
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