土に還る伊邪那美命の姿 237
古事記では黄泉の国 (大地の中) に還った伊邪那美命を
次の様に表現しています。
於頭 者 大雷 居
於胸 者 火雷 居
於腹 者 黒雷 居
於陰 者 拆雷 居
於左手者 若雷 居
於右手者 土雷 居
於左足者 鳴雷 居
於右足者 伏雷 居
并 八雷神 成居
人格神に擬 (なぞら) えていますので、人体に模しています。
頭(ヘッド)、胸(バスト)、腹(ウエスト)、
陰(デリケートゾーン)、
両手(ハンズ)、両足(レッグス)
その各部位には 「雷 (いかずち・かみなり)」 さんの存在。
そして、この雷のメタファー (metaphor=隠喩) は一体何っ。
わたくし達がコントーロールできない怖い自然現象である
「地震と雷」 の一つ、かみなり。
地震は大地の出来事、雷は空と地表間でのできごと。
黄泉の国 (大地の中) の描写ですから
ここの隠喩は人知を越えた 「怖いもの」 と云うことに。
降り注ぐ 「光(雷光)」 と耳をつんざく 「音(雷鳴)」。
確かに怖ーいものに違いありません。
「あっちへお行きっ」 て云っても決してままならず。
この怖さを回避するにはお家(うち)の中へ逃げ込むか、或いは、
「じっーつと我慢して」
雷さんがいなくなるのを待つよりいたし方ありません。
しかし、暫し時間が過ぎ、頭上から遠ざかると
「怖いもの見たさ」 で雷光を目で追うことが可能になります。
ここら辺がわたくしたち 「人」 の厄介なところ。
安全が確保される限り、なぜか怖いものが見たくなる。
子供騙しの幽霊屋敷に大の大人が入りたがるのはこの典型。
これだとジーサン・バーサン・浅草っぽくなりますので
若者・麻布・六本木風では
暗期紅灯に林立するクラブーでの疑似雷。
ライトダウンした暗闇の空間に走る激光と激音の狂宴。
ね、怖いものを見に行きますでしょう?
でも、こちらの怖さは雷さんよりその後・・・・・。
くれぐれもお気をつけて行ってらっしゃい。
「見ちゃ駄目」 って云われると見たくなるのが
わたくし達の奇怪千万で不可解?な所・・・・・。
「どうぞご覧なさい。」 では、大概、目もくれずってとこ。
この機微は 「女と男の心模様 (出逢い)」 で。
伊邪那岐命は彼女の姿態をご覧になり、
怖くて・恐くて、一目散にそこから逃げ出す始末に。 続く。
web上では
国立国会図書館 電子図書館蔵書の古事記上巻P15の16行目で
確認可能ですので是非ご覧下さい。
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