蓬莱山(理想郷)始皇帝・徐福216
ご自分の 「心の中」 にだけしか存在しない幻の理想世界。
無何有郷 | ・・・ | 荘子の 「荘子逍遥遊」 に記されている理想郷 |
桃源郷 | ・・・ | 陶淵明の 「桃花源記」 に登場する理想郷 |
常世の国 | ・・・ | 「日本書紀神代紀」 海の彼方に有ると云う国 |
アルカディア(Arcadia) | 古代ギリシャペロポネソス半島の高山 | |
エデンの園(Eden) | 旧約聖書での理想郷 | |
エルドラド(El Doradosuス) | 南アメリカ北部に有ると信じた黄金郷 | |
ユートピア(utopia) | トマス=モーアの描いた理想郷 | |
シャングリラ(Shangri-La) | ジェームズ=ヒルトンの理想郷 |
理想郷とは後に道教の教祖の一人とされた荘子が
無何有郷と表現し、「人間が存在しない。」 世界ですし、
(広辞苑では 「自然のままで、なんらの人為もない楽土。」)
桃源郷では二度目に尋ねた際には無くなっていました、
常世の国は 「海の遙か向こうにある」 とされただけですし、
アルカディアは後の後づけ、
エデンの園は失楽園の方がメジャー、
ユートピアは元々はギリシャ語で 「何処にも無い」 と云う意味、
エルドラドは人間の 「お金 (黄金)」 への欲望が作りだした所、
シャングリラも書物フィクションの世界に他有りません。
「仙人」 は人間ではないらしく存在しない仙境にお住まいです。
「富・権力・名誉」 を獲得した方が最終的にお求めになる
最終欲である 「維持し続けたい健やかで若々しい肉体」。
「ひょっとしたら」 にかけてみる結果的には愚かな? 「野望」。
しかしながら、3点セットをゲットした方は得ようと努力します。
そんな途轍も無い欲望をちゃかり利用した方が中国秦時代では
「徐福 (じょふく)=徐市(じょふつ)<史記秦始皇本紀>」 さん。
史記では神・仙人が住む山として、
中国と起点とし、東海の遥か彼方の中央にある
蓬莱山 (ほうらいさん)・方丈山・瀛州山 (えいしゅうざん) の
三山を設定しています。
徐福 (徐市) さんは
「言葉巧み」 に秦の始皇帝の心を揺さ振ります。
「わたくしが東海に浮かぶ蓬莱山を捜し出し、
不老長寿の仙薬を譲り受けて参ります。」 と
これに始皇帝は無邪気にも?コロリと絆されてしまいます。
巨万の富を持ち合わせている始皇帝は
元気保持の為に何も惜しみなく徐福 (徐市) に大枚を投資します。
先ずは東海に繰り出す大船団の造営。お次は乗組員の確保。
それら乗組員は船の操舵技術に優れたクルー (crew)。
金銀財宝・航海食料品・お水 (ミネラルウォーター) は当然。
やがて船団が完成、徐福らは蓬莱山を求めて一路、海路へ。
(実際は徐福に取って海上調査・島々探索の旅立ち。)
目的を達した徐福は帰航の途に。
始皇帝への報告は
「やっとの事で蓬莱山を見つけましたが
巨大な海獣に拒まれ上陸ができませんでした。」 と
始皇帝はそれではと云う事で、武器と兵士を授ける事に。
更に、徐福はご自分の郷土で育った次代を担う
ヤングジェネレーションを数多乗船させる様、始皇帝に要求。
何せ不老長寿の仙薬をお望みの始皇帝は徐福の言いなりです。
元気パワーが欲しい始皇帝は徐福に何ら懐疑の念を抱きません。
手練手管で初めて中国を統一した始皇帝でさえこれですもの。
一方、徐福は 「富・軍事力・若き男女精鋭」 を
獲得した訳ですから 「ミニ国家」 をゲットした事になります。
又、彼はこの度の航海に、ご自分を大事にして下さる面々も
お連れになった事は云うまでもありません???
そして、吉日、徐福国家は陰謀渦巻く郷土中国からトンズラへ。
始皇帝は徐福の帰還を首を長ーくして待つのですが・・・・・。
待てど暮らせど帰らぬ徐福、
やがて始皇帝は満49歳で天命旅立ち。
中国脱出をされた徐福さんはと云うと長旅の末、
来日されたと云う事になっていますが真偽の程は・・・・・。
因みに徐福さんの来日玄関は南から薩摩半島、松浦半島、
紀伊半島、知多半島、伊豆半島、丹後半島らが候補地に。
さて、この徐福と始皇帝のお話しは昔話でも何でもありません。
決して始皇帝を否定なさらないで下さい。
悠久の歴史は脈々と続いているのです。
始皇帝は現在の賢い?消費者、徐福は製造販売企業に。 続く。
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