旧暦・十干十二支・陰陽五行説206
以前、五行説の五金と五節句 200で
十二支はもともと何月の月を数える (順) 序数詞だったと。
そして、十干、これも暦に関係が大ありなのです。
もともと、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸は日の序数詞。
昨今、この文字を見られるのは、住まいの賃貸契約書くらい?
しかし、ほんの64年前までは日本で常用されていました。
十干は10個です。
そんで以て 「旬」 はそれをひとまとめにした単位で10。
旬で美味しいのシュンと、上旬・中旬・下旬のジュンです。
甲・乙・丙~辛・壬・癸は一ヶ月、約30日を3で除した10日間の
割り振り (順) 序数だったのです。
ちょうど10は五行説の5の倍数でしたので、
十干を五行配当してしまいました。(序でに十二支も)
五行 | 十 干 | 仮 名 | 漢 字 | 十二支 |
木 | 甲(こう) | きのえ | 木の兄 | 寅 |
木 | 乙(おつ) | きのと | 木の弟 | 卯 |
火 | 丙(へい) | ひのえ | 火の兄 | 巳 |
火 | 丁(てい) | ひのと | 火の弟 | 午 |
土 | 戊(ぼ) | つちのえ | 土の兄 | 辰 未 |
土 | 己(き) | つちのと | 土の弟 | 戌 丑 |
金 | 庚(こう) | かのえ | 金の兄 | 申 |
金 | 辛(しん) | かのと | 金の弟 | 酉 |
水 | 壬(じん) | みずのえ | 水の兄 | 亥 |
水 | 癸(き) | みずのと | 水の弟 | 子 |
因みに陰陽説では兄は陽、弟は陰と云う事になっています。
十二支は5の倍数ではありませんので、ここで一考。
五行説の五行配当模様 198 で紹介しました四季の五行配当での
班固 (はんこ) (32~92) さん論を採用する事により
この問題を解決します。
従いまして、「土」 には丑・辰・未・戌が配当される事に。
無理っぽいですが、「致し方有りません。」 ですよネ。
どうしても 「鋳型にはめ込む為」 に起きるべき現象です。
排除されないだけでも良しとするしか・・・・・。
お次も数字のお遊び。十干十二支。
60に個々の (順) 序数詞を割り振る事です。
十干は10個、 十二支は12個、
そこから10と12の最小公倍数が60になる事に気づいた方が。
十干を先に表記し、十二支がそれをフォロー (follow) します。
1 | 甲子 (コウシ) | (きのえね) |
2 | 乙丑 (イッチュウ) | (きのとのうし) |
3 | 丙寅 (ヘイイン) | (ひのえとら) |
4 | 丁卯 (テイボウ) | (ひのとのう) |
5 | 戊辰 (ボシン) | (つちのえたつ) |
6 | 己巳 (キシ) | (つちのとのみ) |
7 | 庚午 (コウゴ) | (かのえうま) |
8 | 辛未 (シンビ) | (かのとのひつじ) |
9 | 壬申 (ジンシン) | (みずのえさる) |
10 | 癸酉 (キユウ) | (みずのとのとり) |
11 | 甲戌 (コウジュツ) | (きのえいぬ) |
12 | 乙亥 (イツガイ) | (きのとのい) |
これを繰り返す事により60の (順) 序数詞が完成。
組み合わせすべては、国立天文台 天文情報センターの
右上の暦用語解説 ⇒ 六十干支 でご確認を。
上記により、干支<カンシ・えと(兄弟)>は年・月・日表記手段に。
年度は60年で、日付は2ヶ月 (約60日) で一巡り。
年度は干支紀年法、日付は干支紀日法と云われています。
但し、月は一月より順に
寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑と便利な序数が
既に存在していましたので、ことさら不便は無かった筈なのに、
十干をどうしても使用したい生真面目な?お方がいらした感じ。
それで決まり事を。
0 十二支の月は固定
1 甲(1)と己(6)が付く年は丙(3)から始まりで1月は丙寅月
2 乙(2)と庚(7)が付く年は戊(5)から始まりで1月は戊寅月
3 丙(3)と辛(8)が付く年は庚(7)から始まりで1月は庚寅月
4 丁(4)と壬(9)が付く年は壬(9)から始まりで1月は壬寅月
5 戊(5)と癸(10)が付く年は甲(1)から始まりで1月は甲寅月
6 閏月は前月と同
この60通りの繰り返しで目出度し、めでたしって事。
そして、日本の暦のスタート日は、
604年 1月 1日
推古十二年 正月 朔日(一日) 甲子年 丙寅月 戊戌日。
尚、この日は西暦(グレゴリオ暦)で604年2月9日になります。
続く。
| 固定リンク
コメント