旧暦と陰陽五行説はお友達 205
月は太陰、日は太陽。
五行・五元素の 「木・火・土・金・水」 を古代中国人も西方より
情報を仕入、「木星・火星・土星・金星・水星」 に配当。
因みにこれは表記のみに利用されただけで、
古代中国人は 「木星・火星・土星・金星・水星」 に対する
固有名詞を持ち合わせていました。
木星=歳星 (さいせい)
火星=螢 (虫でなく火) 惑 (けいわく)
土星=鎮星 (ちんせい) 填星(てんせい)
金星=太白 (たいはく)
水星=辰星 (しんせい)
この 「月・日」 と 「木・火・土・金・水」 の7つで一週間が完成。
これが現在のカレンダーに記されているものです。
否、昨今は
「SAN・MON・TUE・WED・THU・FRI・SAT」 が主流?
日本で現存する一番古い日記 (ダイヤリー) と云われる
「御堂関白記」。何とこれは、
わたくし共 ZIPANGUが常に絶賛する藤原道長さんの備忘録帳。
この日記にこの七曜が記載されていて、
(「日 (密)・月・火・水・木・金・土」)
これが 「具注暦」 (漢文表記) と云われる暦なのです。
「具 (つぶさ) に注 (さ) した暦」 ですので
「つぶさにことごとくそなわってい」 て、つまびらか (詳らか) に
星宿・干支・吉凶等を加えた暦。
星宿・・・星占い 干支・・・十干十二支 吉凶・・・善し悪し
この旧暦の暦注、星宿・干支・吉凶などの記載が
現在の天文方 (てんもんかた)=天文台関係者に
疎まれる由縁になっています。
この暦注は単なるお遊びと考えない方々には
とっても 「非科学的」 ですので格好の批判材料に。
しかしながら、
現在でも存在する高島易断などの 「暦」 の六曜・九星等々、
これら 「易」 「吉凶」 事を批判される方々もお嬢さんの結婚式は
「大安」 の日をとかく選択されますし、又、
この世を全うされた方は 「友引」 の日はお休みとか・・・。
六曜・・・上記以外に 「先勝」 「先負」 「仏滅 (物滅)」 「赤口」
九星・・・一白水星、二黒土星、三碧木星
四緑木星、五黄土星、六白金星
七赤金星、八白土星、九紫火星 と云う代物。
この九星が中国占星術の基本に。
六曜は直接、陰陽五行説とは関わりませんが、六壬(りくじん)の
流れを組み陰陽道が利用、平安時代以降は人気が急降下するも、
なぜか、明治時代以降に復活、現在流布する暦の表記には欠か
せない物となっているのが現実。これってとっても不・思・議。
江戸時代の旧暦には
「先勝」 「友引」 「先負」 「仏滅 (物滅)」 「大安」 「赤口」の
六曜は記載されていません。
(江戸庶民の皆様にとっては6の繰り返しの常識だった為。)
九星の方は 「木・火・土・金・水」 「青(碧)・赤・黄・白・黒」
として、五行説が加味されています。
色は5色以外に、色数が増え、緑と紫が加えられ7色展開に。
「ホロスコープ (西洋占星術)」 と云われると何だか
ファッショナブルに聞こえますが 「易・占い」 と何ら変わらぬ
「占いゲーム」 で、つかの間のお遊びに過ぎません。
そう云えば、去年の年末~今年の年始にかけて
「○木△子」 さんが 「携帯にメール送るわよー。」 って、
C.M.にガンガン登場しメッセージしていましたわよね。
いたいけなで優柔不断な?女の子・男の子はきっと以て
たくさんアクセスしたと思われます?
従って、「○木△子」 さんは
未曾有の経済危機なんて何処吹く風?
逆に人心を惑わし過ぎる情報が乱舞する時節は格好の稼ぎ時。
円高メリットを美味しく甘受されている方々同様、彼女はウハウハ。
陰陽五行説を中国より輸入し、日本風に加工修正した陰陽道。
特に平安時代前期~中期には
「物忌・方違え」 等々の新思想を編み出しました。又、とても
日本的なのですが陰陽道にも神様がいらしてそのお方は、
八将神と云うお方。この八将神は暦の吉凶をご担当。
(太歳・大将軍・太陰・歳刑・歳破・歳殺・黄幡・豹尾)
この八将神は
今で云う雑誌のトップページの役割を担っていた感じ。
陰陽道でメジャーな方は陰陽師、安倍晴明 (921~1005)。
中務省、陰陽寮に属する立派なお役人?
彼は天文得業生 ⇒ 陰陽師 ⇒ 天文博士 と着実に出世、
プロパー官僚の冠たるお人。
専門職、天文分野 (星座占い含む) 担当を退官後はちゃかり
播磨守 (兵庫県南西部地区知事) も歴任されていますので
中々の政治・処世術をお持ちになっていた方です。 又、
彼の末裔が宝暦暦作成の安倍 (土御門) 泰邦(1711~1784)。
昨年の暮れ、「寮」 を追い出された方々が排出しましたが
陰陽寮はその寮とは大違い???
幾分かお正月気分が残っていますので、
古式ゆかしい?旧暦の暦注をお味わい下さいませ。
味わい処は 「大将軍八神社」。
この神社は
平安初期は陰陽道のお堂で、後の明治時代に神社へ。
尚、旧暦の詳しくは、「国会国立図書館 日本の暦」 でご確認を。
「暦の歴史」 の頁で具注暦・仮名暦・絵暦・大小暦、及び、
明治6年 (1873年) 太陽暦の画像が見られます。 続く。
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