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2008年12月28日 (日)

時を刻み続けるカレンダー・暦 202

 午前様をしない限り、朝、目を覚ますと必ず翌日になっています。
 この午前の午 (うま) は旧暦 (天保歴以前) 時代に
 1日を十二支に割り振られていた名残です。
 24時間を12で受け持つのですから、
 各々2時間=120分間=7200秒間を委ねられます。
 十二支の順番は、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。
 ここで基準が必要になります。
 今日と明日の分かれ目
 現在のデジタルですと 「23:59」 ⇒ 「0:00」 ⇒ 「0:01」
 旧暦時代は当然アナログですから 「子の刻」。
 ここからがアバウトで大らかなアナログ感覚になります。
 一番目の子の刻は午後11時~午前1時の間。
 と云う事で真逆の
 七番目の午の刻は午前11時~午後1時の間になります。
 デジタルは一時が1秒間で、アナログはいっときが二時間。
 せこせこ・カチカチ動きと悠々・自適な動きの違い。
 時を刻み続ける現代カレンダーと
 時が流れ続ける (旧) 暦時代との差異。
 一日を子の刻、午の刻等、十二等分されていた暦は
 明治6年1月1日からは正子、正午を境に「午前・午後」の二つ、
 西洋二元論文化にされてしまいます。
 明治新政府の脱亜入欧政策ですので致し方有りません。
 改暦の詔書に、
 「一、一箇年三百六十五日十二箇月ニ分チ、
                 四年毎ニ一日閏ヲ置候コト。」
 「一、時刻ノ儀是迄昼夜長短ニ随ヒ十二時ニ相分チ候処、
    今後改テ時辰儀時刻昼夜平分二十四時ニ定メ
    子刻ヨリ午刻迄ヲ十二時ニ分チ、午前幾時ト称シ
    午刻ヨリ子刻迄ヲ十二時ニ分チ午後幾時ト称シ候コト。」
    と お達しされています。
    (暦と日本人 内田正男著 雄山閣出版 p219)
 暦用語では、
 天保歴 (1842年~) は 「太陽太陰暦」
 新暦   (1873年~) は 「太陽暦=グレゴリオ歴」。
 そして、「時刻ノ儀是迄昼夜長短ニ随ヒ十二時ニ相分チ候処」 の
 箇所は (「不定時制」) 大らかさの極みです。
 江戸時代の庶民の大方の皆様は、
 一日のスタートを日の出とし、
 終わりを次の日の日の出前と考えていました。
 昼は 「日の出」 から 「日の入り」 まで、夜はそれ以外の時。
 
 この考え方では
 春分・秋分の日以外は昼と夜の時間が異なる事に。
 春分・秋分の日はお日様が真東から上り、真西に沈む日であり、
 尚かつ、昼と夜の時間が一緒の日。(太陽の中心を基準として)
 因みに、今年の冬至(12/21)の東京の日の出は午前6時47分、
 日の入りは午後4時32分となっていました。
 「国立天文台 天文情報センター 暦計算室」 で確認可能。
 と云う事は、
 昼間の時間が9時間と45分となり、夜間は14時間15分に。
 冬至は 「夜の時間」 が一番長い日。
 しかしながら、
 この日の出・日の入りは事象事実のみで感性を伴っていません。
 日の出入りはお日様の天辺が地・水平線と重なった時刻。
 この時刻ですとまだまだしっかり明る過ぎます。
 夕暮れ時の
 暮れなずむ ⇒ 誰そ彼(黄昏) ⇒ 夜の帳が下りる感覚
 夜明け時の
 あかつき(暁) ⇒ しののめ(東雲) ⇒ あけぼの(曙) 感覚
 忘れ去られています。
 「お江戸日本橋七つ発 (だ) ち。」 ってご存じですよね?
 この七 (なな) つは、昼間・夜間を12に分けたいっときの云い方。
 云い直しますと、お江戸庶民の方々は一日の始まりを
 太陽が昇る前・沈んだ後の仄かな明るさ、約30分前後を加味した
 明け六 (むつ) とし終わりを翌日の明け六前迄としていたのです。
 そして夜の帳が下りた時を暮れ六と。
 このステキな感性を生かし、今でも国立天文台は
 明け六 ⇒ 夜明(け) 暮れ六 ⇒ 日暮(れ) と云い換えてます。
 因みに今年の冬至 (12/21) は
 日の出 06:47 明け六 = 夜明 06:11 
 日の入 16:32 暮れ六 = 日暮 17:07 になります。
 そうしますと、この冬至はお江戸感覚で
 昼間が10時間と56分 夜間が13時間と4分に。
 日本橋七つ発ちの七つは明け六のいっとき前になります。
 冬至の翌日 (12/22) の明け六も06:11ですので
 13時間と4分を6で割るといっときは約2時間と10分。
 従いまして、七つは04:01~06:11前迄の時間に。
 この夜明け前の時間帯に日本橋から旅立つったのです。

 とうとうと流れる時間を刻み続けるデジタル時計のお知らせでは
 後3日で新年を迎える事になっています。
 と云う事で、今年も色々お世話になりました。
 来年もどうぞよろしくお願いいたしますって感じ。        続く。

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