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2008年11月30日 (日)

五行説の五行配当模様 198

 五行説の構成アイテム (五元素)、
 水 (みず)・火 (ひ)・木 (き)・金 (こん)・土 (つち)。
 五行説は、これら5アイテムが
 相互に関連、融合し、地上界を生成していると云う発想。
 そしてこの五元素を昔の中国人は二次元の世界に配置しました。
 先ずは前回紹介しました 「夏王朝」 の始祖、「禹(う)」 が
 感じ味わったと思われる 「五行」 と 「五味」。

陰陽五行説 五行   陰陽五行説 五味

 五行は、センターを 「土」 とし、
 上から時計回りに、「水」⇒「木」⇒「火」⇒「金」の順。
 五味は、センターが 「甘い」 、
 同じく時計回りに、「塩辛い」⇒「酸っぱい」⇒「苦い」⇒「辛い」。
 グランドカラーの五色は 「黄色」 を中心に、
 「黒色」 ⇒ 「青色」 ⇒ 「赤色」 ⇒ 「白色」。
 絵の具の3原色はお取り上げですが、
 光の3原色、葉の 「緑色」 が除外されています。

 次は時空間の配当構成

陰陽五行説 五時   陰陽五行説 五方

 方位は理に叶っています。
 一方、五時 (一年間の季節配当) は
 四季の春夏秋冬以外に中央 「土用」 が挿入されています。
 ここら辺から無理強いが生じます。
 センターを埋める為に (劇団) 五季が必要になります。
 そこで考え出されたのが、「土用 (土旺用事)」 の発想。
 フォーシーズンからファイブシーズンへの論理展開。
 結論固定からの逆発想は世の常・・・・・。
 前漢 (B.C.202~B.C.8) の儒学者、
 董仲舒 (とうちゅうじょ) (B.C.179?~B.C.104?) さんの論。
 「木は春、生は性、農の本なり。火は夏、成長の本軸(もと)なり。
  土は季夏(晩夏)、百種を成就せしむ。金は秋、殺気の初めなり。
  水は冬、蔵にして至陰なるなり。」
 (「暦と占いの科学」 永田久 新潮選書 p159)
 殺気・・・草木を枯らす肌寒い気
 蔵にして至陰なるなり・・・不明
 今で云う 「土用の鰻」。
 平賀源内のC.M.キャッチコピーは、「本日土用丑の日」。
 「夏ばて気味の貴方へ、鰻を食べて元気いっぱいお願いよ。」
 董仲舒は、土用を盛夏と初秋の間に割り込ませました。
 この論はやや無理気味なので、およそ200年後、
 後漢 (25~220) の歴史家、
 班固 (はんこ) (32~92) さんの論。
 「木、火、金、水の生ずる、七十二日なるは如何。土は四季は
  各十八日に生ず。合して九十日、一時とする。土の四時に生ずる
  所以は如何。木は土なければ生ぜず、火は土なければ栄えず、
  金は土なければ成らず、水は土なければ高くならず。
  ゆえに五行のこもごも生ずるも土によるなり。土をもって四季に
  置き、分かれて四時に生ず。」 (同、前出)
 班固は、土用を春夏秋冬、各々の季節の最後に入れ込みました。
 この論理展開は一年約360日を5で割り72日を五時に割り当て、
 更に土用分の72日を残りの春夏秋冬に18日ずつ配る事で成立?
 故に、前漢の董仲舒感じでは、
 それらは、晩春・晩夏・晩秋・晩冬と云う事に。
 いにしえの中国人は、中々上手い事を考え出しましたでしょう。
 しかしながら、班固の発想はセンターが無くなってしまうのです。
 図にしてみると下の様に。

陰陽五行説 班固の五時

                                                             続く。

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