五行説の五行配当模様 198
五行説の構成アイテム (五元素)、
水 (みず)・火 (ひ)・木 (き)・金 (こん)・土 (つち)。
五行説は、これら5アイテムが
相互に関連、融合し、地上界を生成していると云う発想。
そしてこの五元素を昔の中国人は二次元の世界に配置しました。
先ずは前回紹介しました 「夏王朝」 の始祖、「禹(う)」 が
感じ味わったと思われる 「五行」 と 「五味」。
五行は、センターを 「土」 とし、
上から時計回りに、「水」⇒「木」⇒「火」⇒「金」の順。
五味は、センターが 「甘い」 、
同じく時計回りに、「塩辛い」⇒「酸っぱい」⇒「苦い」⇒「辛い」。
グランドカラーの五色は 「黄色」 を中心に、
「黒色」 ⇒ 「青色」 ⇒ 「赤色」 ⇒ 「白色」。
絵の具の3原色はお取り上げですが、
光の3原色、葉の 「緑色」 が除外されています。
次は時空間の配当構成
方位は理に叶っています。
一方、五時 (一年間の季節配当) は
四季の春夏秋冬以外に中央 「土用」 が挿入されています。
ここら辺から無理強いが生じます。
センターを埋める為に (劇団) 五季が必要になります。
そこで考え出されたのが、「土用 (土旺用事)」 の発想。
フォーシーズンからファイブシーズンへの論理展開。
結論固定からの逆発想は世の常・・・・・。
前漢 (B.C.202~B.C.8) の儒学者、
董仲舒 (とうちゅうじょ) (B.C.179?~B.C.104?) さんの論。
「木は春、生は性、農の本なり。火は夏、成長の本軸(もと)なり。
土は季夏(晩夏)、百種を成就せしむ。金は秋、殺気の初めなり。
水は冬、蔵にして至陰なるなり。」
(「暦と占いの科学」 永田久 新潮選書 p159)
殺気・・・草木を枯らす肌寒い気
蔵にして至陰なるなり・・・不明
今で云う 「土用の鰻」。
平賀源内のC.M.キャッチコピーは、「本日土用丑の日」。
「夏ばて気味の貴方へ、鰻を食べて元気いっぱいお願いよ。」
董仲舒は、土用を盛夏と初秋の間に割り込ませました。
この論はやや無理気味なので、およそ200年後、
後漢 (25~220) の歴史家、
班固 (はんこ) (32~92) さんの論。
「木、火、金、水の生ずる、七十二日なるは如何。土は四季は
各十八日に生ず。合して九十日、一時とする。土の四時に生ずる
所以は如何。木は土なければ生ぜず、火は土なければ栄えず、
金は土なければ成らず、水は土なければ高くならず。
ゆえに五行のこもごも生ずるも土によるなり。土をもって四季に
置き、分かれて四時に生ず。」 (同、前出)
班固は、土用を春夏秋冬、各々の季節の最後に入れ込みました。
この論理展開は一年約360日を5で割り72日を五時に割り当て、
更に土用分の72日を残りの春夏秋冬に18日ずつ配る事で成立?
故に、前漢の董仲舒感じでは、
それらは、晩春・晩夏・晩秋・晩冬と云う事に。
いにしえの中国人は、中々上手い事を考え出しましたでしょう。
しかしながら、班固の発想はセンターが無くなってしまうのです。
図にしてみると下の様に。
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