« 現世ご利益、薬師如来像 178 | トップページ | 色彩曼荼羅・大日如来像 180 »

2008年7月20日 (日)

大日如来像は天照大神 179

 梅原猛さんは、色んな著書で
 「天照大神」 = 「持統天皇」 とすると
 この時代がとても理解しやすいのではないかと
 論を進めておられます。
 その論理展開はここでは触れませんが、
 仏教界に置いて、大日如来像は
 仏 (神) の中の仏 (神) と規定されています。
 わたくし達が生息する銀河系の中の太陽系を全宇宙と考えると
 その宇宙を司り、制御する宇宙神となります。
 太陽系の中心は当然お日様 (太陽)。
 前回お話ししました平安初期仏教のメジャーな
 比叡山・延暦寺・根本中堂の創始者
 最澄 (767~822) 、804年、38歳で官費入唐、805年帰国、
 と並び称される、
 空海 (774~835) 、804年、31歳で私費入唐、806年帰国。
 三筆で後の弘法大師が唐でのお師匠さん、
 恵果 (746~805) (けいか) から頂いた
 「現図胎蔵界曼荼羅 (げんずたいぞうかいまんだら)」 と
 「金剛界曼荼羅    (こんごうかいまんだら)」、
 二つ合わせて 「両界曼荼羅」。
 その絵図のセンターを占めるお方が、「大日如来像」。
 「大」 きな、お「日」 様、大日如来像なのです。
 この曼荼羅絵図の世界はランキングは無く、
 大日如来像を中心とした 「フラットな時空間」 です。
 太陽の回りを回り続ける惑星。
 太陽に近い水星・金星の方が地球より偉い
 と云う発想でないのと同じ論理です。
 故に、仏教の創始者を具現化した釈迦如来像は
 大日如来像のお近くには配置されていません。
 現図胎蔵界曼荼羅図では、
 大日如来像の脇を固める 「仏」 様は
 宝幢如来・開敷華王如来・無量寿如来・天鼓雷音如来
 普賢菩薩・文殊菩薩・観世音菩薩・弥勒菩薩 の八仏衆です。
 (「仏像・羅漢」 梅原猛著作集2 集英社 を参考。)
 「胎蔵界曼荼羅八葉院」 と云われる空間です。
 八葉と命名されていますので、この絵を描いた作者は
 脇固めの仏様は植物の 「葉」 に具現化しています。
 と云う事は、大日如来像は 「花」 と云う事に。
 釈迦如来像はそのサークルの外の外。
 植物の世界でも、センターにいるからと云って
 その中心の花が一番偉いと云う発想はありません。
 円熟した花も、蕾の花も、何処にいても同じく綺麗。
 総ての茎・葉・花は全体の構成物であり、
 各々一つでは世界を構成不可能です。
 修学旅行でお邪魔する奈良東大寺の大仏様。
 この大仏様の正式な名前は 「毘盧遮那仏 (びるしゃなぶつ)」。
 大きな仏様と云う意味との事です。
 そして、大日如来像は 「摩訶毘盧遮那仏」。
 摩訶は大きい・秀でた・ステキなどの意とする形容語。
 大日如来像は奈良の大仏様よりももっと大きい 「仏」 さん。
 序でに、新盆は過ぎ去りましたがやがて来る旧盆、お墓参り。
 蓮華 (れんげ)、蓮のお花。
 天上界に咲くと云われている四華、

 曼陀羅華 (まんだらげ) 小さな白蓮華 鉄線蓮
 摩訶曼陀羅華 (まかまんだらげ) 大さな白蓮華 白い蓮
 曼珠沙華 (まんじゅしゃげ) 小さな赤蓮華 彼岸花
 摩訶曼珠沙華 (まかまんじゅしゃげ) 大さな赤蓮華 赤い蓮

 真夏に咲き誇る、蓮華と彼岸花。今の季節にピッタリ。
 宇治、平等院の蓮。
 そうだ、京都行こう ⇒ CM・ポスター ⇒ 過去のキャンペーン
              ⇒ 2008 夏 勧修寺の蓮。

 決して、間違っても、漫画の 「まんだらけ」 とは・・・。 続く。

追 「両界曼荼羅」 につきましては、
   「高野山金剛峰寺」
 ⇒  「高野山霊宝館」  
 ⇒  「仏の基礎知識」
 ⇒  「両部曼荼羅」 をご覧下さい。

雨と朝顔
spacer
夏の朝顔

|

« 現世ご利益、薬師如来像 178 | トップページ | 色彩曼荼羅・大日如来像 180 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 現世ご利益、薬師如来像 178 | トップページ | 色彩曼荼羅・大日如来像 180 »