病気を癒す薬師如来像 177
釈迦如来像を除き、トップランクの薬師・大日・阿弥陀如来像。
薬師如来像は病気を治して下さる偶像になっています。
故に天武天皇はご自分の奥様のお一人、
鸕野讚良 (うののさらら) さん、後の持統天皇が
病に陥った際に、薬師寺の造営を発願し、
薬師如来像等の創作を指示し、
病気平癒を願いました。(680年)
運良く、ご利益 (りやく) があり、鸕野讚良さんは健康体に。
しかしながら、間をおかずに、今度は天武天皇ご自身が
病に伏せる事になり、奥様はご自分同様
天皇の病気回復をお願いするのですが、
あにはからんや、このお願いを
今回は、お聞き届け下さいませんでした。
少なくてもお二人の内、お一人お助け下さったのですから
薬師寺、薬師如来像建立のご利益幻想は50%の確率。
かなりのハイスコアー。
薬師如来像に対するご利益幻想は
「思いこみ側」 の問題になりますので、
薬師寺、薬師如来像には全く罪?はございません。
かってな 「お願い事」 をする人間側の考え方・思想・思慮
に尽きる訳ですから。
でも運悪く、病にかかってしまった心細いご本人、
或いは、その回りの方々にとっては、
健康体に戻りたい、戻って欲しいと思う事は当然・・・・・。
今の世でも、「エイズ」 「サーズ」 「心の病」、
穿った小さな願いでは、
「早い」 「お得」 「お手軽」 からの 「メタボシンドローム」 に、
世界中が怯えきっているのかな???
朝夕、苦しそうに走っておられるお方。
どうせやるなら楽しくおやり下さいませ。
万歩計とやらのカウンターを気にしながらの日々って楽しい?
スポーツジムへ通わないと不健康気分にさせられる資本の論理。
要は 「横着せずに体を動かしなさい。」 って事でしょう。
「かったるい。」 「めんどい。」 「しんどい。」 は
ご自分の体を虐め、不細工にする元凶。
サーフボード等で骨折し、ギブス固定の日々を過ごされた経験が
ある方は良ーくお分かりと思いますが、
動かさない筋肉はもう動かないでイイノダと
かってに判断してしまいます。
体がしゃきしゃき動く間は思う存分動かさないと。
今日のキャピキャピなテーンエイジャーでも、
何れの御時には、「姥・爺棄て山」 現象は必定。
話題の後期高齢者 (長寿) 医療制度で十二分に証明されます。
長寿と云う名の下に 「後期」 と範疇分けされる始末です。
現在と比して、飛鳥・奈良・平安時代でも
長寿を全うされた方はたくさんいらっしゃいます。
基本的には、食料事情が良く、「運良く」、蔓延するウイルスに
ご自身体内のタンパク酵素が打ち勝った方々で
「書・もの」 をお残し下さった方々のお陰でわたくし達は、
彼女・彼らの時代を想像できるのです。
故に、長寿者は生活エリートの方々なのです。
近代西洋医学を持ち合わせない特に、
飛鳥・奈良・平安をお過ごしになった時代にも
色んなウイルスが蠢いていたのでしょう。
この時代のお医者さんは 「お坊さん(僧侶)」 。
この時代の世界の中心 「唐」 (618~907) に留学した方々は、
エリート中のエリートインテリ。
その時代における最先端の情報を見聞きし、
日本にその情報をお持ち帰りになった方々ですから。
病原菌侵入からくる 「病魔」 には打ち勝てない迄も
「心の病」 に対する対処療法はお手の物。
例えば、玄昉 (げんぼう) (?~746) さんは
藤原不比等のお嬢さん、
後の文武天皇 (683~707) の奥様、
藤原宮子 (?~754) さんのご病気を
いとも簡単に直しました。 ホント、ス・テ・キ僧侶なのです。
続く。
雨と朝顔
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