江戸で花咲く三井越後屋店 141
日本橋 「三越」 と新宿 「伊勢丹」 が2008年春に経営統合との事。
旧称、「三井越後屋呉服店」 と 「伊勢屋丹治呉服店」 との統合。
これは、ファッション流通革命的出来事です。
しかしながら、既に
1673年に伊勢国、松阪生まれの三井高利 (1622~1694) が
江戸と京都にファションショップをオープン、
日本ファッション流通革命の先駆けをなしていました。
女性のファッションアイテム 「高級呉服」 の廉価販売。
廉価と云っても以前に比しての事。
それまでの通常の 「掛け販売」 を 「現金販売」 にし、
貸倒リスク上乗せ販売価格を廃止し、
現金でお買い求めのお客様にはそのリスク分を除いた
販売価格 (上代) で供給したのです。
今の世では 「当たり前」 の事象に見えますが、
このお江戸時代では斬新で画期的な販売方法だったのです。
どの位のオフ率だったのか不明ですが、
ファッション呉服 (着物) はお江戸庶民の皆さんには大好評。
その三井家が当然の事、当事者達のご努力があったにせよ
資本蓄積 ⇒ 両替商 ⇒ 江戸幕府為替御用 ⇒ 豪商 ⇒
明治時代に入り
三井財閥となり国家を動かす程の栄華を極めます。
大東亜戦争後、解体を余儀なくされますが 「人の三井」 と云われ
水面下での結束力を保ちました。
ファッションの世界では素材産業として今現在皆様よくご存じの
「トレシー」 「エクセーヌ」 「トレビーノ」 「海水淡水化プラント」
等で超メジャーな 「東レ(株)」 は三井資本です。
一方、小売業の世界では 「日本橋三越」 が
日本文化の一翼を担った 「贈答文化」 に於いて、長期に渡り
「三越ブランド」 でトップの座を占めていましたが
とある事件をきっかけにお隣の 「薔薇ブランド (高島屋)」 に
その座を譲ります。
ファッションの分野では 「アダルト (叔母様・叔父様) 層」 を
ターゲットにしていましたのでやがて時の経過と共にじり貧?、
新興のヤングファッション層に狙いを絞った新宿伊勢丹に遅れを
取る自体に相成ります。
そして、来春には、老舗・三越と新興・伊勢丹との統合へ。
新宿伊勢丹の強みである
ファッションシンクタンク 「伊勢丹研究所」 と
もう一つの雄 「Iカード」 。
このカードは江戸時代の掛け販売への回帰。
お江戸時代と違う点はカードでの購入の方が消費者にとり廉価に。
(但し、一定額以上購入のお客様、消費者のみ)
新宿伊勢丹にとってはクレジットコストを負担しても
商品をお買い求め頂き、更に、お客様の趣味思考を得られる
願ってもない 「魔法の磁気カード」 になっているのです。
「磁気カード」 を通してお客様情報を得られるシステム。
三井高利も超ビックリ???
時代は流れ ・流れてドンブラコって状況に。 続く。
菊薫る秋
| 固定リンク
コメント