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2007年11月 4日 (日)

江戸で花咲く三井越後屋店 141

 日本橋 「三越」 と新宿 「伊勢丹」 が2008年春に経営統合との事。
 旧称、「三井越後屋呉服店」 と 「伊勢屋丹治呉服店」 との統合。
 これは、ファッション流通革命的出来事です。
 しかしながら、既に
 1673年に伊勢国、松阪生まれの三井高利 (1622~1694) が
 江戸と京都にファションショップをオープン、
 日本ファッション流通革命の先駆けをなしていました。
 女性のファッションアイテム 「高級呉服」 の廉価販売。
 廉価と云っても以前に比しての事。
 それまでの通常の 「掛け販売」 を 「現金販売」 にし、
 貸倒リスク上乗せ販売価格を廃止し、
 現金でお買い求めのお客様にはそのリスク分を除いた
 販売価格 (上代) で供給したのです。
 今の世では 「当たり前」 の事象に見えますが、
 このお江戸時代では斬新で画期的な販売方法だったのです。
 どの位のオフ率だったのか不明ですが、
 ファッション呉服 (着物) はお江戸庶民の皆さんには大好評。
 その三井家が当然の事、当事者達のご努力があったにせよ
 資本蓄積 ⇒ 両替商 ⇒ 江戸幕府為替御用 ⇒ 豪商 ⇒
 明治時代に入り
 三井財閥となり国家を動かす程の栄華を極めます。
 大東亜戦争後、解体を余儀なくされますが 「人の三井」 と云われ
 水面下での結束力を保ちました。
 ファッションの世界では素材産業として今現在皆様よくご存じの
 「トレシー」 「エクセーヌ」 「トレビーノ」 「海水淡水化プラント」
 等で超メジャーな 「東レ(株)」 は三井資本です。
 一方、小売業の世界では 「日本橋三越」 が
 日本文化の一翼を担った 「贈答文化」 に於いて、長期に渡り
 「三越ブランド」 でトップの座を占めていましたが
 とある事件をきっかけにお隣の 「薔薇ブランド (高島屋)」 に
 その座を譲ります。
 ファッションの分野では 「アダルト (叔母様・叔父様) 層」 を
 ターゲットにしていましたのでやがて時の経過と共にじり貧?、
 新興のヤングファッション層に狙いを絞った新宿伊勢丹に遅れを
 取る自体に相成ります。
 そして、来春には、老舗・三越と新興・伊勢丹との統合へ。
 新宿伊勢丹の強みである
 ファッションシンクタンク 「伊勢丹研究所」 と
 もう一つの雄 「Iカード」 。
 このカードは江戸時代の掛け販売への回帰。
 お江戸時代と違う点はカードでの購入の方が消費者にとり廉価に。
 (但し、一定額以上購入のお客様、消費者のみ)
 新宿伊勢丹にとってはクレジットコストを負担しても
 商品をお買い求め頂き、更に、お客様の趣味思考を得られる
 願ってもない 「魔法の磁気カード」 になっているのです。
 「磁気カード」 を通してお客様情報を得られるシステム。
 三井高利も超ビックリ???
 時代は流れ ・流れてドンブラコって状況に。 続く。

菊薫る秋
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菊薫る秋

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